研究課題/領域番号 |
03555198
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
化学工学
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
中村 厚三 群馬大学, 工学部, 教授 (50011036)
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研究分担者 |
福里 隆一 (株)神戸製鋼所, 化学研究所, 主任研究員
小針 正夫 日本たばこ産業(株), 研究部, 取締役
浅枝 正司 広島大学, 工学部, 教授 (40026224)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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キーワード | 超臨界流体 / 無機多孔性膜 / 有機ガス分離膜 / 透過流束 / 阻止率 / 超臨界二酸化炭素 / ポリエチレングライコール / ゾル-ゲル法 |
研究概要 |
超臨界流体の膜分離に使用する無機分離膜を、多孔性アルミナ管の表面にゾル・ゲル法によってシリカの薄膜を担持させることによって作製した。シリカコロイドの粒径を制御するこにより数nm以下の比較的シャープな細孔分布を持つ多孔性シリカ薄膜の作製も簡単に行えることが判明した。エタノール系混合物の浸透気化法による分離に使用したところ、分離性能および膜の安定性において極めて良好な結果が得られた。 次いで多孔性シリカ分離膜の性能を超臨界二酸化炭素(SCCO_2)の単一成分系あるいはポリエチレングライコール(PEG)またはトリオレインの二成分系について調べた。SCCO_2の透過速度、すなわちモル透過流束を膜間差圧で割った値は、亜臨界温度あるいは臨界温度以上の一定温度の条件において圧力の増加と共に増加し、臨界圧近傍において最大値に達したのち減少し、高圧域においてはほぼ一定の値となった。ただし、透過速度のピークの現出は、膜の平均細孔径が小さくなる程、また温度が高くなる程不明瞭となった。このような透過速度の圧力依存性は、圧力増加に伴う超臨界二酸化炭素の動粘度の減少と膜細孔内における凝縮現象に関係しているものと推定された。このような透過速度の挙動は、ポリイミド限外ろ過膜の表面に架橋シリコンの薄膜を複合化させた有機ガス分離膜についても同様に観測された。 SCCO_2/PEG400の二成分系の場合、臨界温度および臨界圧力以上の条件においてSC-CO_2の透過速度は、単一成分系の場合より小さくなり、減少の程度は液体の膜分離の場合同様に溶質濃度の増加と共に大きくなった。平均細孔径が約1.5nmの多孔性シリカ膜の場合は温度、圧力および溶質濃度が一定の条件において、阻止率は膜間差圧の増加と共に負から正へと変化した。平均細孔径が0.6nm程度の膜の場合にはPEG400の阻止率は0.8程度となり、膜分離の可能性を示す実験結果が得られた。
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