研究分担者 |
田中 裕之 東京工業大学, 資源化学研究所, 助手 (10155161)
斎宮 英紀 東京工業大学, 工学部, 助手 (10016553)
川崎 順二郎 東京工業大学, 工学部, 助教授 (40016556)
仲 勇治 東京工業大学, 資源化学研究所, 教授 (50026283)
正田 誠 東京工業大学, 資源化学研究所, 教授 (70023489)
|
研究概要 |
本年度は3年間の研究期間の最終年度にあたっているので,これまでの研究のまとめと不足分を補った。1.分離操作の機能の意味をモデル化し,汎用的な知識に体系化し,分離概念設計の支援方法について検討した。設計過程自体もモデル化し,明快で合理的な方法論の提案を試みた。「分離機能モデル」に基づき分離プロセスのスケルトンを形式論的に自動生成することによって分離プロセスの合成を行った。分離機能モデルは分離目的,分離ユニット,前提条件,I/O関係を与える。このモデルにより問題の構造が明らかになり,個々の詳細情報や知識のプロセス合成時の関わりが分かることになる。2.枯草菌がつくる抗菌性ペプチド(iturinn)と(surfactin)に注目し,液体培地,固体培地での最適培養条件を検討した。また,培地から両物質を分離精製するためのHPLCの条件を確立した。さらに枯草菌を土壌に散布したときの両物質の生産状況を実証するため,土壌からの回収,定量するための分離精製方法を検討した。3.マクロライド系抗生物質を対象として,その生産液からの効率的粗分離法として,液膜分離法の適用性を検討した。原料相ならびに抽出相のpH制御で,速やかに原料の数倍程度の濃度に濃縮できることがわかった。4.粗分離操作の一つとして水性二相分配抽出を検討し,pH制御と添加塩効果を利用することにより,合成生産培地から効率よく分離できることを示した。さらに分配分離相からの抽出法として,曇点を利用する方法を提案した。5.液体クロマトグラフィの分離性能を予測してスケールアップするシミュレーション法を開発した。報告書作成作業を協力して行った。
|