研究課題/領域番号 |
03556001
|
研究種目 |
試験研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
育種学
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
武田 元吉 東京大学, 農学部, 教授 (90134501)
|
研究分担者 |
喜多村 啓介 農林水産省農業研究センター, 作物第一部, 研究室長
高野 哲夫 東京大学, 農学部, 助手 (30183057)
野田 和彦 横浜市立大学, 木原生物学研究所, 助教授 (90150135)
海妻 矩彦 岩手大学, 農学部, 教授 (00003773)
田中 國介 京都府立大学, 農学部, 教授 (90027194)
|
研究期間 (年度) |
1991 – 1993
|
キーワード | 種子品質の遺伝的改良 / 貯蔵タンパク質 / インヒビター / β-グルカナーゼ / α-アミラーゼ / フライアビリン / リポキシゲナーゼ / イソフラボン |
研究概要 |
本研究では、悪臭や加工上の不良成分の原因として知られているダイズ・リポキシゲナーゼと醸造適性に関与するオオムギ・α-アミラーゼをとりあげた。 ダイズ・リポキシゲナーゼについては、育種改良の方向が欠失遺伝子の選択に進んでおり実際の育種も成果を上げつつある。そこで本研究では利用されている3種類のアイソザイムL1、L2、L3の欠失遺伝子lox1、lox2、lox3について構造解析を行うことにした。オオムギ・α-アミラーゼ遺伝子は、コピー数が多いため全体の解析は困難な状況にあるので、DNAのRFLP解析を多数の品種や近縁種に拡大して解析し、さらに、アンチセンスオリゴヌクレオチドの発現抑制効果を検討した。 1)ダイズ・リポキゲナーゼ(高野、武田):lox2遺伝子の転写・翻訳は正常に行われているが、1か所のミスセンス突然変異により立体構造が変化し、酵素活性の失われたタンパク質が合成され、この変異タンパク質は野生型(正常型)のタンパク質と比較して非常に分解されやすいことがわかった。lox1、lox3遺伝子はどちらもタンパク質コード領域に変異はなく、転写の障害が起きていた。lox3については、GUS fusion geneによるタバコ細胞の形質転換から、プロモータ活性が低下していることを確認した。 2-1)オオムギ高等電点α-アミラーゼの解析(武田、高野):高等電点α-アミラーゼのcDNAをプローブとしRFLPを検出した。このRFLPのパターンの比較から、栽培種が祖先種から分化した後にα-アミラーゼ遺伝子の構造に多型が生じたと考えられた。 2-2)アンチセンスオリゴヌクレオチドの利用(堤):既知のα-アミラーゼ遺伝子の塩基配列すべてに高い相補性を持つ20塩基のアンチセンスオリゴヌクレオチドを合成し、アリューロン層に添加したところ、α-アミラーゼ活性が抑制された。
|