研究課題/領域番号 |
03556011
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山崎 眞狩 東京大学, 農学部, 教授 (60011889)
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研究分担者 |
門倉 広 東京大学, 農学部, 助手 (70224558)
依田 幸司 東京大学, 農学部, 助教授 (20143406)
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キーワード | エラスタ-ゼ / 枯草菌 / 大腸菌 / 食肉軟化 |
研究概要 |
我々は好アルカリ性バチルス属細菌Ya-B株の生産するアルカリ性エラスタ-ゼを見いだした。硬蛋白質エラスチン、コラ-ゲンなどをよく分解するため食肉の軟化剤として有望であることを示してきた。またアルカリ性エラスタ-ゼの構造遺伝子もすでにクロ-ン化している。 本研究では、クロ-ン化した遺伝子を枯草菌に導入して、枯草菌におけるエラスタ-ゼの大量生産系を確立するための前段階として、大腸菌における大量生産系の確立をめざした。エラスタ-ゼ遺伝子の大腸菌での発現には、Ya-B株の第二の遺伝子、aleRが必要であるあることをすでに明らかにしてきた。そこでlacプロモ-タ-を装備したエラスタ-ゼ遺伝子と、同じくlacプロモ-タ-をつけたaleRをそれぞれ単独、あるいは共存するように大腸菌に導入した。エラスタ-ゼ遺伝子のみの導入ではIPTG存在下にプロ体が蓄積した。aleRを共存させると、IPTG存在下に活性型(成熟型)エラスタ-ゼがペリプラスムに蓄積した。この結果からAleR蛋白の機能はプロ配列の切断を行なうプロテア-ゼではないかとと考えられる。このことを更に確かめるため、プロ体を蓄積している大腸菌の粗抽出液と、AleR蛋白を蓄積している大腸菌粗抽出液とを共存させると、プロ体が成熟型酵素に変換し、エラスタ-ゼ活性が現われることを明らかにした。したがってこのin vitroの実験においてもAleR蛋白の機能はプロ配列切断のプロテア-ゼであることを支持する。次いで枯草菌におけるエラスタ-ゼ大量生産系の確立を試みた。大腸菌一枯草菌シャトルベクタ-に乗っているエラスタ-ゼ遺伝子に枯草菌誘導プロモ-タ-spacを付けた。このプラスミドを枯草菌に導入し、IPTGを与えるとエラスタ-ゼのプロ体が蓄積した。さらにpUB110系のプラスミドにaleR遺伝子を乗せたものを導入すると、活性型エラスタ-ゼが培地中に分泌された。
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