研究課題/領域番号 |
03556012
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
小林 猛 名古屋大学, 工学部, 教授 (10043324)
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研究分担者 |
木村 達郎 アイシン精機株式会社, 研究員
魚住 信之 名古屋大学, 工学部, 助手 (40223515)
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キーワード | 人工種子 / 毛状根 / アグロバクテリウムリゾゲネス / 再分化 / 不定芽 / オ-キシン / 西洋わさび / 大量培養 |
研究概要 |
Agrobacterium rhizogenesを感染し誘発した西洋わさび毛状根から効率的に人工種子を作製する方法を検討した。固定化法は、切断した毛状根を2%アルギン酸カルシウムゲルによりビ-ズ状に固定化した。毛状根は分化した組織であるため、それを構成する細胞も均一ではなく、包括する長さ、部位に再分化効率の依存性が考えられる。切断した毛状根が1.0-2.5mm、2.5-5.0mmでは、長さに依存して再分化が促進されたが、5.0mm以上では再分化効率の違いは観察されなかった。また、成長点、分枝を含んだ部位がこれらを含まなかった部位(中間部位)に比べて高かった。分枝を含んだ部位では分枝の部位の近くから再分化し、中間部位で再分化したものについては分枝が現われ発芽するため、固定化時には肉眼では確認できない程度の分枝原基を有していたと思われる。毛状根はオ-キシンを添加した培地で培養すると分枝の数が増大した。NAA、IAA、IBA、及び2.4Dをそれぞれ1mg/1添加したところNAA及びIBAにおいて高い再分化効率が得られ、NAAについては0.1、1.0mg/1で30日で80%以上の再分化が観察された。毛状根全体を使用することを目的に大量培養に有利な液体培養でNAA無添加からNAAを添加する2段階培養を行ったところ、NAA0.1mg/1で最も発芽が促進され健全な小植物体に生長した。毛状根を暗所において液体培養すると、固体寒天培養には認められなかった不定芽原基が形成される。この不定芽原基は2枚以上の葉まで展開したものは10日間0.1mg/NAA処理した毛状根は43%であったのに対し、30日間液体培養して形成された不定芽原基においてはほぼ100%であった。固体培地において、不定芽原基の形成促進を図ったところ、0.1-1.0mg/1BA添加で促進されNAA添加は変異を誘発した。不定芽原基も再分化率を持ち合わせた組織と考えられる。
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