(1)L-カルニチンの合成に有用なキラルシントンである4-ハロ-3-ヒドロキシブタン酸エステル類を効率よく生産するため、Sporobolomycessalmonicolorのアルデヒドレダクターゼ反応の利用が有効であることを認めた。プロキラルな基質である3-ハロ-アセト酢酸エステルをS.salmonicolorのアルデヒドレダクターゼとNADPHの作用の下に還元すると、高収量で目的とする4-ハロ-3-ヒドロキシブタン酸エステルが生成した。 (2)NADPHの再生素反応としてグルコースデヒドロゲナーゼを共役させ、水-有桟溶媒2相系の反応条件下で反応を行うと約100g/lの4-クロロ-3-ヒドロキシブタン酸エチルエステルが生産できた。この反応は、ほぼ定量的に進行することも判明した。有桟溶媒として使用可能な溶媒は酢酸エテル、酢酸-n-ブチルなどがあり、特に後者の使用は酵素に対する阻害作用もなく最も好ましいものであった。 (3)S.salmonicolorのアルデヒドレダクターゼ遺伝子をクロニングし、その1次構造を明らかにした。本酵素を、動物のアルドースレダクターゼ類と比較すると、そのアミノ酸配列によいて約50%の相同性を持つことを認めた。
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