研究分担者 |
田中 正郎 ノアテック, 研究員
岩岡 正博 東京大学, 農学部, 助手 (40213269)
田坂 聡明 宇都宮大学, 農学部, 助教授 (20147474)
仁多見 俊夫 東京大学, 農学部(林), 助教授 (20192255)
酒井 秀夫 東京大学, 農学部, 助教授 (70126069)
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研究概要 |
急傾斜不整林地における森林作業,特に下刈などの育林作業を機械化するためのベースマシンとして脚式車両を発開している。平成3年度に製作した機体は,前2脚はナックルブーム機構,後4脚はパンタグラフ機構の全部で6本の脚を持ち,油圧によって動作する。また6本の脚の統合制御はCPUによって行う。 機体の改良 後4脚の取付部分が強度不足と考えられたため,シャフト径の拡大,シャフト材質の変更,などの強化を行った。前2脚の下方への力を増強するため,油圧シリンダの取付位置を変更した。前脚の2ケ所の関節の角度のセンシング方法を,エンコーダを用いて直接角度を読み取る方法からリニアポテンショメータを用いて油圧シリンダの長さを読み取る方法に変更し,後脚の制御と統一的に制御できるようにした。 制御ソフトウェアの開発 本試験機は油圧弁にon/off弁を採用していることから,その制御にはPWM(Pulse Width Modulation)制御を採用している。このPWM波の生成をソフトウェアで行っているため,複数脚を同時に動作させる場合に,各脚の動作速度が低下する。そこで,各脚毎に1つのCPUを割当て,さらに別のCPUでこれらの統轄を行うマルチCPUシステムを採用した(田坂聡明他1992)。全体を統轄するメインCPU1,各脚を制御するサブCPU6の計7つのCPUを持つマルチCPUシステムに関して,その実現方法,CPU間の通信方法,脚間の同期方法,各CPUで行う処理などを検討した(岩岡正博他1993)。このマルチCPUシステムを試験機に組み込んで動作試験を行った結果,期待通りの動作が得られ,本制御システムの有効性を確認できた。 平成5年度の予定 傾斜不整地における走破性を確保するための脚の動かし方とその制御方法について,制御機構の改良を行いつつ実証的に検討する。また作業機アームを兼ねる前端脚の作業相における適切な動作と,その実現に必要な制御アルゴリズムについても検討する。
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