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1992 年度 実績報告書

各種セルロース材料による劣化紙の補強方法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 03556023
研究機関東京農工大学

研究代表者

大江 礼三郎  東京農工大学, 農学部, 名誉教授 (10015076)

研究分担者 岡山 隆之  東京農工大学, 農学部, 助手 (70134799)
安江 明夫  国立国会図書館, 逐次刊行物部, 課長
増田 勝彦  東京国立文化財研究所, 修復技術部, 室長 (40099924)
空閑 重則  東京大学, 農学部, 助手 (60012051)
キーワードセルロース / 紙 / 劣化
研究概要

(1)劣化紙の標準強度の策定
劣化紙を補強するに当って、保存書籍用紙に要求される最低限界強度が明確である必要がある。さもないと経年紙資料について、補強すべき資料を選定することができない。現行の各種の紙の試験方法は、製品としての紙の強度を測定するように定められているため、経年した資料間の強度的差違を検出するのに適していない。すなわち、いずれも苛酷な条件で測定することになっている。本研究では前年度よりこの問題を採り上げ、超低荷重MIT試験機を試作、またダイナミックモデュラス試験機を導入し、強度の低い劣化紙の物理的強度の判定法を確立した。そして人の指による折れ曲げ試験との関連を明らかにした。これによって図書館などで閲覧停止にする場合の科学的基準が設定可能となった。
(2)セルロース繊維およびシートによる補強
前年度に引続き、市販紙に欠損部分を作り、これをリーフキャスティング法によって補強する場合に検討を加え、欠陥試料の引張強さを1.5倍以上,改善することができた。また2枚の湿潤シート間に落葉和紙を挿入、乾燥する方法によって、著しく引張強さを向上しうる結果を得た。これから紙の構造と強度の関係を解明すべく、研究を展開する。
(3)セルロース膜の調製とそれを利用した補強
Acetobarter xylinumを用い、バクテリアセルロース膜を調製しているが、これを一旦、解織してシートに作成することも行なっている。引張り強さ指数(MPa)、ヤング率(GPa)は、セルロース膜、セルロースシート、グラシン紙で、それぞれ52.1/4.33,9.2/8.9,32.5/4.20であり、十分実用に耐えるものが得られた。これを用いて劣化紙の補強を行なう作業を続行中である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 大江 礼三郎,岡山 隆之,山崎 洋一,佐藤 礼子,春永,理恵: "紙の劣化とその対策第III報" 紙パルプ技術協会誌. 46. 799-806 (1992)

  • [文献書誌] S.Kuga,M.Usuda,H.Shibazaki: "Permeability of Bckrerila Cellulose Membrane" J.Applied Polymer Science.

  • [文献書誌] 安江 明夫: "中性紙図書比率" 国立国会図書館月報. 1991 12月号. 16-17 (1991)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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