研究課題/領域番号 |
03556028
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山口 勝己 東京大学, 農学部, 教授 (50011896)
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研究分担者 |
佐竹 幹雄 日本水産株式会社, 中央研究所, 所長
小泉 千秋 東京水産大学, 水産学部, 教授 (80017045)
鴻巣 章二 共立女子大学, 家政学部, 教授 (00011817)
金沢 昭夫 鹿児島大学, 水産学部, 教授 (70041697)
関 哲夫 かき研究所, 副所長兼研究部長 (60150067)
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キーワード | 養殖ガキ / フランスガキ / 餌料 / 脂肪酸 / タンパク質 / テクスチャー / 加工 |
研究概要 |
食生活の向上に伴い、養殖ガキにも高品質化が望まれている。本研究は、フランスガキにプランクトンや人工配合飼料を与えて飼育し、品質改善を図ろうとするもので、本年度の研究成果の概要は次のとおりである。 1.珪藻のChaetoceros gracilis(C.g)およびNitzschia closterium(N.c)、ハプト藻のIsochrysis galbana(I.g)、稚エビ用人工飼料(R1)をそれぞれフランスガキに与えて30日間飼育し、海面垂下養殖ガキを対照に、脂肪酸組成、タンパク質組成およびテクスチャー(歯ごたえ)の強さを調べた。脂肪酸組成 軟体部の飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪酸および高度不飽和脂肪酸の割合はそれぞれ33:17:50、32:16:52、34:15:51、32:21:47および35:15:50となり、R1区で多価不飽和脂肪酸が少なかった。さらにR1区では、他の試験区と比較してn-3系列脂肪酸が少なく、n-6系列脂肪酸が多かった。テクスチャー プランジャーを用いて測定したテクスチャーの強さは、消化管では、N.c区は最高の75g、R1区は57g、その他は47-52gであった。一方、閉穀筋ではR1区が57gと最も硬かった。 タンパク質組成 消化管では、水溶性35-53%、塩溶性21-33%、アルカリ可溶性18-26%および不溶性5-6%で、R1区の水溶性が35%と他の試験区よりやや低かったが、テクスチャーとの間に明確な相関は認められなかった。 2.養殖フランスガキの生産量はいまだ少ないが、今後普及すると考えられることから、加工適正の検討を行った。歩留まりは16.5%、凍結保存後の解凍ドリップは4.7%とマガキ(それぞれ15.8%および5.7%)より良好であった。フライ加工品では、生ガキをそのまま使用すると渋味が残り、一ケ月凍結保存したものを使用すると渋味が減少するが、いずれもマガキと比較して遜色なかった。
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