研究課題/領域番号 |
03556030
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
四方田 穆 岡山大学, 農学部, 教授 (60081527)
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研究分担者 |
猿渡 農武也 内外エンジニアリング株式会社, 技術開発部, 次長
高瀬 恵次 愛媛大学, 農学部, 助教授 (90133165)
福島 晟 島根大学, 農学部, 助教授 (90027251)
田中 礼次郎 島根大学, 農学部, 教授 (10032541)
畑 武志 神戸大学, 農学部, 助教授 (70031193)
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キーワード | 流出解析 / 造成農地 / 開畑地 / 洪水ピ-ク流量 / 洪水到達時間 / 表面流モデル / 貯留関数法 / 有効降雨 |
研究概要 |
造成農地の洪水流出特性を明確にすることは合理的な排水計画をたてる上で重要なことであるが、これまで流域ごとに別個の手法が使われてきたこともあって、モデル定数の総合化を行うにはまだ不十分な状態にある。本研究では、この難点を解消するため、共通的な手法で、造成農地の出水特性を整理・分類して、モデル定数の総合化を試みるもので、本年度は、これまでの資料や結果の再検討に重点をおいた。主な成果は以下の通りである。 1.近畿の山地流域における洪水ピ-ク流量と到達時間について調べた。降雨の継続とともに表面流の発生領域が拡大するため、大出水時の洪水到達時間は中小出水時よりも長くなる現象が見られた。 2.島根県西部の農地造成流域を対象として、排水計画の基礎となるような大規模な集中豪雨時の出水について、表面流モデルによる流出解析を行い、良好な結果を得た。 3.開畑地流域を対象として、畦の有無が洪水流出に及ぼす影響を雨水流モデルで吟味して、良好な結果を得た。また、貯留関数法の適用も試みた。 4.洪水到達時間について、「洪水到達時間内の平均有効降雨強度は実測のピ-ク流出高に等しい」ことを利用して洪水到達時間を推定したところ、この方式が従来の方式よりも優れていることがわかった。 5.洪水到達時間式、貯留関数法、表面流モデルの半理論的な相互関係式を、渓流山地流域、放牧草地流域、開畑地流域で検証したところ、この関係式から各定数の概略値が推定できそうなことがわかった。 6.流出モデル定数は有効降雨に左右されるので、これを合理的に決定するため、侵入能モデルで算定した有効降雨を雨水流モデルに適用して洪水流出解析を行った結果、再現性は良好であった。
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