研究課題/領域番号 |
03556034
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
池田 善郎 京都大学, 農学部, 教授 (50026465)
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研究分担者 |
有馬 博 信州大学, 農学部, 教授 (03556034)
西津 貴久 京都大学, 農学部, 助手 (40228193)
広瀬 正明 京都大学, 食糧科学研究所, 教授 (60026523)
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キーワード | 衝撃波 / 有限要素法 / 近赤外分光分析 / ニューラルネットワーク / 切り前 / 糖分 / リンゴ酸 / フラクタル次元 |
研究概要 |
1.農産物衝撃試験装置を試作し、衝撃波伝播モードを各種農産物について観測し、以下の結果を得た。 1)りんご、とまと、柑橘類等は中実球体と見なしうることができ、巨視的には衝撃方向と平行に基本形状を変えることなく前後に振動する。 2)メロン等は中空球殻と見なすことができ、衝撃方向に平行に長円となったり垂直方向に長円となる振動を繰り返す。 3)タマネギ、ダイコン等は基本的には中実球体と見なすことができ、上記1)と同様の振動モードであるが伝播波形は一般に複雑になる。内部構造の異方性と非均質性の共合作用と考えられる。 2.球形農産物の波動方程式を提案し、有限要素法による数値シミュレーションと衝撃試験の結果を比較することにより、以下の結果を得た。 1)リンゴに対しては、シミュレーションと実測波形は良く一致し、非均質粘弾性モデルによる記述が適当である。 2)リンゴの芯の部分は空洞と見なさなければ、観測結果の説明ができない。 3)ダイコンの波形は数値シミュレーションでは予測不可能であり、肉質部分の方向性を考慮したモデルの開発が必要である。 3.観賞用農産物のうち、バラの開花度をニューラルネットワークにより判定するシステムを開発し、基礎的な実験を実施し、人間による判定結果と良く一致することがわかった。 4.近赤外線分光反射特性により、リンゴの糖分を定量するシステムを設計・製作し、液体クロマトグラフによる定量結果との検量線は極めて相関関数の高いことがわかった。以下に詳細を述べる。 1)全糖類、リンゴ産酸、果糖、しょ糖の順に相関係数が高い。 2)ブドウ糖の相関係数は低い。 3)変動係数は、リンゴ酸、全糖、果糖、ブドウ糖の順に大きくなる。 5.精米表面の電子顕微鏡写真画像よりフラクタル次元を求め、精米方法との関係を検討したが明確な相関は認められなかった。 6.超音波により液状食品の非線形パラメータを測定し、脂肪濃度の推定が可能であることがわかった。
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