研究課題/領域番号 |
03556038
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
宮本 元 京都大学, 農学部, 教授 (00026618)
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研究分担者 |
石井 隆 京都大学, 農学部, 助手 (70111945)
葛西 孫三郎 高知大学, 農学部, 助教授 (60152617)
丹羽 晧二 岡山大学, 農学部, 教授 (40089115)
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キーワード | ヤギ卵巣 / ラット卵巣 / ウシ卵細胞 / マウス胚 / ガラス化法 / 緩慢凍結 / 還流培養 / 体外受精 |
研究概要 |
1.成熟ヤギ卵巣の組織片およびラット卵巣を、-196℃へ緩慢冷却(0.5℃/分)するかRallのガスラ化法で急速冷却した。冷却・加温度、卵胞顆粒層細胞、卵細胞の膨張または収縮、卵細胞質中の空胞化、細胞内微細構造の破壊等が認められた。一般に緩慢冷却よりもガラス化法の方が組織学的損傷は小さかった。冷却後の卵巣を38℃で培養すると、卵胞の発育が認められた。冷却後のラット卵巣を去勢雌ラットに移植すると発情周期、腟垢変化が認められた。これらの成績から、特にラット卵巣は-196℃に冷却後も部分的に生存性を維持していると考えられる。 2.家畜卵巣の還流培養装置と培養液に改良を加えた。その結果、培養液のpH維持も可能になり、培養による卵巣の膨潤を小さくすることができた。培養時間の経過にともない培養液中のグルコースの減少と乳酸の増加が認められ、還流培養中に卵巣が機能していることを示している。 3.ウシ卵細胞の第一成熟分裂の完了は、精子が卵細胞質に侵入することによって促進されることを明らかにした。ウシ卵細胞を20〜24時間体外培養して成熟させたのちに授精すると、高率で正常な体外受精卵がえられた。 4.マウス胚をガラス化法で急速冷却するとき、急速冷却前の保護物質への至適浸漬時間は、その温度によって異なった。すなわち、25℃で0.5分、10℃で2〜5分、5℃では2〜10分間の浸漬時間で高い生存性がえられた。
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