研究分担者 |
品川 森一 帯広畜産大学, 畜産学部・獣医公衆衛生学講座, 教授 (00001537)
五十嵐 郁男 帯広畜産大学, 原虫病分子免疫研究センター, 助教授 (80159582)
斉藤 篤志 帯広畜産大学, 畜産学部・家畜生理学講座, 助教授 (10002263)
三浦 弘之 帯広畜産大学, 畜産学部・肉畜保臓学講座, 教授 (90003079)
広瀬 恒夫 帯広畜産大学, 畜産学部・獣医臨床放射線学講座, 教授 (60003076)
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研究概要 |
トキソプラズマ(Tp)感染動物の脾臓細胞内T-リンパ球が特異抗原によって感作産生するリンホカイン中にマクロファ-ジ活性化因子など諸種の生物活性因子の出現を明らかにした。その生物活性因子のうちマクロファ-ジのみならず体細胞内原虫の増殖抑制作用物質を見出し,本物質の類似な合成ペプチドを研究グル-プによって,すでに解析・精製された(特許昭62-330142,1988)。本新規の化学合成物質による生体及び試験管内試験において効果の多様性と安定かつ強力な作用を有する化学合成物質の開発などについて基礎的研究をおこなった。 天然オビオアクチン由来合成ペプチド,12種類についてマウス・マクロファ-ジ,および腎細胞,ヒト・心筋細胞および脳細胞を用いて細胞内Tp増殖の抑制効果についてIn vitro試験をおこなうと,12種類の合成ペプチドのうち4〜5種のペプチドが強い細胞内増殖抑制作用を惹起することが明らかになった。そこで,それらの中の1つについて担ガンマウスを用いてin vivo投与による腫瘍細胞の増殖遅延の有無について検討した。その結果,100μug/マウス筋肉内投与を1週間隔でおこなうとMethylcholanthrene自家誘発腫瘍の有意な増殖遅延が観察された。とくに,脾臓内に円形大型の単球-マクロファ-ジの集蔟が著明であり,これらの免疫担当細胞の動態がオビオペプチド投与により認められた腫瘍増殖抑制の作用起点の根幹をなすのではないかと,現在までの研究成果から推察された。今後,これらの作用機序の解明について検討をおこなう事とした。
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