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1993 年度 実績報告書

原虫感染症の発症予防と早期診断法の分子免疫学的開発研究

研究課題

研究課題/領域番号 03556041
研究機関帯広畜産大学

研究代表者

鈴木 直義  帯広畜産大学, 原虫病分子免疫研究センター, 教授 (10003071)

研究分担者 三浦 弘之  帯広畜産大, 教授 (90003079)
広瀬 恒夫  帯広畜産大, 獣医放射線学, 教授 (60003076)
小俣 吉孝  帯広畜産大, 獣医生理学, 助教授 (10132987)
五十嵐 郁男  帯広畜産大, 原虫免疫研, 助教授 (80159582)
斉藤 篤志  帯広畜産大, 獣医生理学, 教授 (10002263)
キーワード免疫調整物質 / リンフォカイン / オビオペプチド / トキソプラズマ / 免疫不全 / TLA / 血液細胞刺激因子 / 生理活性物質
研究概要

1989年頃から世界は微生物感染症の発病予防及び軽減作用を有する免疫調整・賦活物質の開発研究が最重要課題の一つに取り上げられ、世界の諸種関連学会での中心研究領域になっている。一連の基礎研究から研究代表者らがリンフォカイン中から研究開発した天然物質を母体として日鉱グループが作出した新規の合成ペプチドはアミノ酸が2-7個の単純ペプチドである。本ペプチドの宿主生体内作用機構の全体像は未だ明らかではないが、現在までに得られた実験成績から健康動物の血液中白血球総数、とくに好中球、単球、リンパ球の軽度増数と細胞機能活性化が観察されている。なかで毛微生物感染症時には、その傾向が強まり健康値維持作用を持つ血液細胞刺激物質であろうと現在考えられている。
世界の人類および動物の30%以上はトキソプラズマ原虫に既に感染していると一般的に考えられている。人エイズ患者の30-40%はエイズ免疫能低下による脳内トキソプラズマ シスト破壊に伴うトキソプラズマ増殖性劇症脳炎により例外なく100%急性死する。この脳内トキソプラズマ シスト破壊の生物学的シグナル伝達作用機構は現在全く不明であり、その解決法は皆無の状態にある。トキソプラズマ シストならびにエイズ感染症に対する完全な予防薬ならびに治療薬の全くない現在、先進国のみならず世界的規模で最も緊急対策研究課題であることは衆目の一致したところで、全世界の関連研究者がそれぞれの立場から研究遂行中である。従って、本研究グループは「本合成免疫調整作用物質によるトキソプラズマ感染宿主体内の免疫能調整有無と脳内トシソプラズマ シスト破壊防御能」について総合的に検討を加えた。トキソプラズマ シスト保有動物に免疫抑制剤の大量投与を一定期間継続すると、動物の80-90%がほぼ同時日に死亡する。一方、これに合成ペプチドを小量継続的に投与すると、興味あることに80-90%が生残する。免疫抑制剤(サイクロフォスファミド)投与マウス脳内トキソプラズマ シフト破壊像は、抵L3T4血清投与では死亡しないマウス脳内シスト破壊像に比較して顕著ではないが、限局的にシスト破壊と増殖型トキソプラズマの散在像が認められた。しかし、合成ペブチドの併用投与マウスの脳内シスト像は全般的に静止型でありトキソプラズマ虫体増殖像は検出されなかった。現在までの実験成績から、トキソプラズマ シスト破壊のシグナル発進の一つにはリンパ球比率(CD4:CD8リンパ球)の最低維持値が存在し、それ以下になると脳内トキソプラズマ シスト破壊とトキソプラズマ原虫増殖が進行し劇症トキソプラズマ性脳障害に伴う生体防御免疫能不全による斃死と推察している。しかし乍ら、これらの感染発病機構は、未だ完全には実験的に証明されていない部分が少なくないので、今後継続して分子免疫学的領域から考究する必要がある。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Itou,M.,et.al.: "Studies related to immunosuppression in mice with chronic toxoplasmosis" Journal of Protozoology Research. 3. 99-109 (1993)

  • [文献書誌] Takahashi,M.,et.al.: "Protective immune response of Isospora felisinfected mice against Babesiamicroti infection" Journal of Vet.Medical Science. 55. 587-590 (1993)

  • [文献書誌] Omata,Y.et.al.: "Correlation between antibody levels in T.gondii infected pigs and pathogenicity of the isolated parasites" Veterinary Parasitology. (In press). (1993)

  • [文献書誌] 五十嵐郁男,鈴木直義: ":トキソプラズマ症の感染と免疫" Modern Meadia(モダンメヂイア), 10 (1993)

  • [文献書誌] 鈴木直義: "免疫の仕組み一人・動物共通原虫病から" 大学保健管理業務職員研修会, 7 (1993)

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公開日: 1995-02-08   更新日: 2016-04-21  

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