研究概要 |
1)紫外レ-ザ-走査のための2種の光学系の開発 市販の倒立顕微鏡(ニコンTMD)を基礎とし、レボルバ-の下の凹及び凸レンズを除き、五角プリズム半裁により、紫外透過率を上げ、市販のレ-ザ-走査装置(BIORAD,MRC-500)との結合のための4枚構成(石英2枚、蛍石2枚)の中間レンズ(325〜360nm,F=+31.25mm)を設計製作し、レ-ザ-走査装置内の凹面鏡2枚と平面鏡4枚を350〜500nmの波長範囲で反射率90〜98%のミラ-に交換し、ニコンの対物レンズ(CF Fluor40×/N.A.085)の色収差を除くために、レ-ザ-光路にf=+500mmのレンズを入れ、全鏡筒長を本来の160mmでなく、対物レンズの別の最適鏡筒長と考えられる230〜250mmとした。直径0.5umと5umの蛍光ビ-ズを351nm,2mWのアルゴンイオンレ-ザ-で走査し、蛍光の中心波長412及び425nmで、空間解像力〈0.4um、焦点深度〈1,5umを得た。 もうひとつの光学系は、新たに設計製作した反射系と屈折系のハイブリッドの対物レンズ(設計波長200〜500nm:50×/N.A.0.43)と石英の中間レンズを新たに設計製作した鏡筒に装着し、市販のレ-ザ-走査装置を改良したもの(上述、但し、レ-ザ-光路中の補正レンズなし)を使い、空間解像力〈0.7um、焦点深度〈2.5umを得た。 2)生きた細胞での性能試験 いずれの光学系も紫外励起蛍光プロ-ブを使った細胞下レベルの生理学の実験には充分な性能を発揮し、培養したウシガエル交感神経節細胞でのindo-1を使った蛍光測定では、細胞内のCa^<2+>の種々の条件下でのダイナミックな変化が記録された。又、複雑なニュ-ロンの三次元構造の像も得られた。
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