研究課題/領域番号 |
03557012
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
中木 敏夫 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (30164148)
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研究分担者 |
惣中 一郎 味の素株式会社, 中央研究所, 研究員
鈴木 洋通 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (80129494)
猿田 享男 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (70051571)
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キーワード | L-アルギニン / 抗高血圧薬 / 内皮 / 一酸化窒素(NO) |
研究概要 |
(1)健常者におけるL-アルギニンのカプセル剤およびドリンク剤服用時における体内動態 L-アルギニンのカプセル剤では、服用できる大きさを検討した。カプセル一個につき最大でも500mgしか含有できず、仮に一日に30g服用する場合でも、60個もの服用が必要となり、実際的ではないので断念した。 次にドリンク剤について検討した。L-アルギニンはそれ自体で不快な臭いのため、クエン酸と混合し、さらにパイナップル味覚料を添加してところ,1回に10gならば十分服用できる味および体積であった。一日量30gを3回に分けて経口的に投与した。服用後、やや軟便の傾向があったが、水溶性のアルギニンにより水が腸管内に移動したためと推定された。この他には、自覚症状は特になかった。L-アルギニン経口投与にて、L-アルギニン10g内服後の血漿中濃度を測定したところ、平常時の約2倍にあたる0.2mM程度にまで増加した。しかし、降圧作用は見られなかった。これは降圧に必要な濃度が少なくとも0.5mM程度である以前の結果と一致している。L-アルギニン静注時の血漿中濃度変化からL-アルギニンの消失速度定数、みかけの分布容量を測定値から算出したところ、それぞれ1.9hr^<‐1>および10literであった。 (2)動物モデルの開発 無麻酔、無拘束で測定できる実験系として代表的実験動物である犬では、人と同じ投与量では、腎血管の血流量は増加したが、全身血圧の低下は見られなかった。 (3)L-アルギニン誘導体の生物活性 現在までに合成された、α炭素のアミノ基またはカルボキシル基を修飾した新規L-アルギニン誘導体7種類につき、NO合成酵素阻害作用あるいは基質としての作用を検討した結果、現在のところ生物活性を有するものは見いだされていない。
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