研究課題/領域番号 |
03557017
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
清水 孝雄 東京大学, 医学部(医), 教授 (80127092)
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研究分担者 |
寺尾 泰次 武田薬品(株), 化学研究所, 所長
和泉 孝志 東京大学, 医学部(医), 助手 (70232361)
脊山 洋右 東京大学, 医学部(医), 教授 (90010082)
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キーワード | platelet-activating factor / receptor / inflammation / endotoxin |
研究概要 |
発現クロ-ニングにより単離したPAF受容体cDNAをプロ-ブとして、ヒト白血球の同受容体クロ-ニングを行った。この結果、モルモット肺とヒト白血球受容体はいずれもアミノ酸342個からなり、その相同性は80%以上で、特に膜貫通領域に高かった。ヒト白血球型のPAF受容体は好酸球に特に多く発現しており、また分化(インタ-ロイキン-5など)により発現量が増えることも明かとなった。 受容体の発現調節を明かにする目的で、ヒト同受容体の遺伝子構造の解析を進めている。本受容体は5'非翻訳領域にイントロンを持ち、オルタ-ナティブスプライシングをうけている可能性が示唆された。 受容体クロ-ンをホ乳類細胞にトランスフェクトし、大量発現した後に細胞膜画分を分取した。この粗膜画分を用いて以下の研究を行った。第一に、PAF定量系の開発である。放射標識したPAF拮抗剤と、粗膜画分を反応させ、一定時間後に、吸引ろ過にてB/F分離を行った。ここに未知量のPAFを加え、拮抗剤の結合阻害を観察した。この放射受容体アッセイ法により、PAFの特異的定量法の開発を進めている。第二は、この結合実験により種々のPAF拮抗剤の検定である。種々の脂質性拮抗薬、またベンゾジアゼピン系拮抗薬の効果を定量し、それと免疫調節能との関連を解析している。PAF拮抗剤としては従来知られている化合物の誘導体、天然物よりの抽出物、また脂質性のPAF類縁体等が候補であり、それら化合物の準備を進めている。
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