研究課題/領域番号 |
03557030
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
古川 研 群馬大学, 医学部, 教授 (90008227)
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研究分担者 |
中島 たみ子 群馬大学, 医学部, 助手 (40008561)
矢沢 伸 群馬大学, 医学部, 講師 (10008386)
松木 孝澄 群馬大学, 医学部, 助教授 (10126617)
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キーワード | 血液型 / 型物質 / 抗体 / 免疫電極 / 化学修飾電極 / 銀塩化銀電極 / 電位 / 抗原抗体反応 |
研究概要 |
1.タングステンとチタンの金属針金を火炎中で加熱して表面を酸化し、シアノ-ゲンブロマイドで化学修飾処理を施して官能基を導入し、血液型判定用抗A及び抗Bヒト血清に浸して抗体免疫グロブリンを直接電極に共有結合させ、化学修飾免疫電極を作成した。対照電極には、同様に化学修飾処理した金属線を6M尿素で処理して官能基を不活性化したものを用いた。抗A又は抗B免疫電極と対照電極とをヒト胃粘膜のA型又はB型物質溶液中に挿入し、入力インピ-ダンスの高いマルチメ-タ-で電極間の電位の変化を測定した。A型物質では抗A免疫電極を用いた場合に、B型物質では抗B免疫電極を用いた場合に電位の上昇が明確であった。A型物質と抗B免疫電極、B型物質と抗A免疫電極では電位の上昇は僅かであり、金属線を用いた化学修飾電極方式で水溶性血液型物質の型判定が可能であることがわかった。ここで用いた2種の金属線では、タングステンがチタンよりも反応に伴う電圧の上昇が著明に認められた。 2.銀塩化銀電極を用いて、寒天内型物質とろ紙内の抗体との接触抗原抗体反応を電位の変化で測定するデバイスを考案した。A型物質を含む寒天を銀塩化銀電極の微量アダプタ-のカップ内で凝固させ、この上にろ紙を置き、更に型物質を含まない寒天の薄い円盤を置き、もう一方の銀塩化銀電極を接触させる。両電極をマルチメ-タ-に接続して電圧を測定し、次いで、ろ紙に抗A又は抗B血清をしみ込ませて寒天内の血液型物質と接触面で反応させ、電圧の変化を測定した。電圧の変化はA型物質-抗A、B型物質-抗Bに著明で、寒天内型物質とろ紙内抗体との接触部位の抗原抗体反応前後の電気的変化を検知することが可能になった。
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