研究課題/領域番号 |
03557033
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
河盛 隆造 大阪大学, 医学部・第一内科, 講師 (00116021)
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研究分担者 |
渡会 隆夫 大阪大学, 医学部・附属病院第一内科, 医員
岩間 令道 大阪大学, 医学部・附属病院第一内科, 医員
森島 豊彦 大阪大学, 医学部・第一内科, 助手 (50221635)
山崎 義光 大阪大学, 医学部・第一内科, 助手 (40201834)
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キーワード | インスリン免疫センサ / 自己燐酸化 / インスリンEGFキメラ受容体 |
研究概要 |
インスリンレセプターcDNAとEGFレセプターcDNAを、合成DNAを用いて膜貫通部の細胞外領域で結合させ、その上流側にSV40early promoterを接合した。さらに、大腸菌中での選択、増幅のためにpUC12に組込み、インスリン・EGFキメラレセプター発現プラスミドを作成した。このconstructを燐酸カルシウム法によりCOS-7細胞にtransfectし、48時間後の細胞からインスリン・EGFキメラレセプターをWGAカラムを用いて半精製した。種々の濃度のインスリン添加後、 ^<32>P-ATPを用いてキメラレセプターの自己燐酸化能を解析、用量依存性の有無を検討した。 その結果、SDS-PAGE上、分子量約120KDa及び95KDaの位置に ^<32>Pの取り込みが認められた。インスリンレセプターβサブユニットは分子量95KDaの位置に認められることから、後者はCOS-7が本来有しているインスリンレセプターβサブユニットであり、前者は理論上推定されるインスリン・EGFキメラレセプターβサブユニットの分子量に相当し、COS-7細胞内で発現したインスリン・EGFキメラレセプターであると推定された。 インスリンレセプター及びインスリン・EGFキメラレセプター共に、インスリン濃度0〜77nMの範囲内において、インスリン濃度に依存して ^<32>P-ATPの分子内への取り込みが認められたが、インスリン・EGFキメラレセプターでは、インスリンレセプターに比し自己燐酸化能は強かった。インスリン抗体を用いたインスリン免疫センサの測定可能領域(70nM以上)に比し、今回の測定系では7nMから77nMという、より低濃度のインスリンに反応し得る系を確立し、今後の臨床応用への道を開いた。キメラレセプターの接合部位を変えることにより、より感度の高いインスリン・EGFキメラレセプターを選択し、さらに純度の高いキメラレセプター蛋白を大量に発現させる等の改良を加えることによって、将来、本センサを臨床応用することが可能であると考えられた。
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