研究課題/領域番号 |
03557035
|
研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
井廻 道夫 自治医科大学, 医学部, 教授 (70134228)
|
研究分担者 |
金子 隆志 自治医科大学, 医学部, 助手 (10254913)
森山 貴志 自治医科大学, 医学部, 講師 (10240706)
|
キーワード | C型肝炎 / 細胞障害性T細胞 / HLAB44 / C型肝炎ウイルスコア抗原 |
研究概要 |
私達は、C型肝炎の肝細胞障害機序の解明及び治療への応用を行う目的で、C型肝炎特異的細胞障害性T細胞の細胞障害活性をブロックする。T細胞受容体可変部領域あるいは抗原認識部位に対する抗体の作製を目的に研究を進めてきた、これまでに得られているC型肝炎肝細胞特異的細胞障害性T細胞株TA-NB-2細胞は、ポリクローンであることが判明すると共に、C型肝炎ウイルスにおける抗原部位が明らかでないため、新たにC型肝炎ウイルスコア抗原特異的な細胞障害性T細胞を誘導、株化するとともに、C型肝炎肝組織浸潤リンパ球のT細胞受容体の解析を行った。5例のC型肝炎患者肝組織浸潤リンパ球をPHA-Pで刺激し、IL-2存在下に培養し、限界希釈法によりクローニングを行った。この内1例で多数のクローンが得られたので、これについてPCRによりT細胞受容体の可変領域Vbetaの解析を行った。34のVbetaが解析でき、Vbeta2、Vbeta6.1-3、Vbeta7がそれぞれ5クローン(14.1%)ずつ存在し、Vbetaの種類に片寄りが存在することが判明した。現在これが、C型肝炎ウイルス特異的T細胞による片寄りなのか、炎症のある肝臓に単にこのようなT細胞が集まりやすいのかを検討中である。頻度が多く認められたVbetaを有するT細胞がC型肝炎ウイルス特異的なら、これらVbetaに特異的な抗体により、C型肝炎のコントロール、予防ができるものと考えられ。一方、HLAB44を有する患者末梢血リンパ球よりC型肝炎ウイルスコア抗原アミノ酸88-96を認識する細胞障害性T細胞の誘導に成功し、更にクローニングにも成功した。現在、クローンのT細胞受容体の解析を進めており、今後T細胞受容体に対する抗体を作製し、C型肝炎のコントロール、予防について検討を進める予定である。
|