研究分担者 |
勝木 元也 東海大学, 医学部・DNA生物学, 教授 (20051732)
内田 洋子 東京都老人総合研究所, 神経化学, 研究員 (60133633)
井原 康夫 東京大学, 医学部・脳研究所・神経病理学, 教授 (60114386)
辻 省次 新潟大学, 脳研究所・神経内科, 教授 (70150612)
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研究概要 |
アルツハイマ-病で低下でするとされているヒト神経成長抑制因子(growth inhibitory factor以後GIFと略)について,アルツハイマ-病におけるGIF発現低下のメカニズムを明らかにするためにまずヒト脳cDNAライブラリ-から全長のcDNAクロ-ンを単離することに成功した。得られたクロ-ンはpolyAtailを除いて396塩基対の長さで唯一のopen reading frameが存在し68個のアミノ酸からなるポリペチプドをコ-ドすることが判明した。この全長cDNAクロ-ンを大腸菌発現ベクタ-に組み込み発現させた蛋白には内田らのいう神経成長抑制活性が見いだされたこと,さらに内田らによって決定されたヒトGIFのアミノ酸配列と核酸配列から予測されるアミノ酸配列が完全に一致することから確かに目的のヒトGIFのcDNAクロ-ンを単離同定できたことが確認された。既知の遺伝子とのホモロジ-解析では、ヒトメタルチオネイン遺伝子との間に54%の高いホモロジ-が存在することが示された。このヒトGIFcDNAをプロ-ブとしてラット脳cDNAライブラリ-のスクリ-ニングを行いラットの全長GIFcDNAを単離する事にも成功した。現在このラットGIFcDNAをプロ-ブとしてラットの各組織におけるGIFの発現分布、発生分化にともなう発現変化を解析としている。さらにヒトゲノムライブラリ-からヒトGIFゲノム遺伝子をクロ-ニングし,マウスゲノムライブラリ-からも同様にゲノム遺伝子をクロ-ニングする事に成功した。現在これらゲノムクロ-ンについて塩基配列の詳細な解析を進めており,ヒトGIF遺伝子についてはプロモ-タ-部位の詳細な解析を行っておりアルツハイマ-病におけるGIF遺伝子のdown-reguhationのメカニズムを明らかにし,さらにマウスGIFゲノム遺伝子については,gene targettingによりGIF遺伝子を破壊することによりGIFの有している生理学的機能の解析を行なうことをめざしている。
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