研究課題/領域番号 |
03557041
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研究機関 | 福井医科大学 |
研究代表者 |
宮保 進 福井医科大学, 副学長 (70019884)
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研究分担者 |
荒井 郁男 電気通信大学, 電子工学科, 助教授 (90017400)
鈴木 務 電気通信大学, 電子工学科, 教授 (10017311)
久津見 恭典 福井医科大学, 医学部, 助手 (20169999)
中井 継彦 福和医科大学, 医学部, 助教授 (40019609)
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キーワード | マイクロ波 / 非接触 / トップラセンサー / モニタリング / 大動脈脈波速度 / 心尖拍動 |
研究概要 |
二位相信号法を用いたマイクロ波ドプラセンサ(以下センサ)を生体計測に応用した。 1.心機図との対比:心疾患患者20例と健常者10例を対象にセンサ部(周波数f=24.125GHz,出力:5mw)のアンテナ開口部(開口部:2.8cm×2.3cm)を頸部あるいは左前胸部心尖部より5cmの距離に設置し、それぞれ頸動脈波、心尖拍動図との対比を行なった。右頸部より接触型トランスデューサで得られた頸動脈波(CAMP)と左頸部より得られたセンサ信号(MW)は立ち上がり時間に50msec程度のずれを生ずるが、得られた信号より駆出時間(ET)を求めると、接触型トランスデューサとセンサによるETは良好な一致を示した。接触型トランスデューサーで得られた心尖拍動図(ACG)とセンサ信号(MW)は良好に対応した。 2.左室前壁壁運動異常の検出:左室造影を実施した心疾患患者26例を対象に、心尖部体表より1cmの距離にアンテナ開口部(周波数24.125GHz)を位置させ、心尖拍動図との対比を行なった。センサ検出信号は、心尖拍動図による分類を参考にし、正常群(normal)と異常群(sustained wave,bulge)に分類した。異常収縮波により左室造影で定義した前壁壁運動異常を検出する場合、センサによる際は感度80%、特異性73%、従来の心尖拍動図による際は感度53%、特異性100%であった。 3.非接触的大動脈脈波伝搬速度測定の検出:糖尿病、心疾患患者40名を対象に、一対のアンテナ開口部を左頸部と右鼠径部に皮膚より5cm離し位置させ、信号検出を行なった。2個の信号はフクダ電子社製MCG300の検出回路に入力し脈波伝搬速度の値を得、従来の接触型トランスデューサーで得られる値と比較をした。センサと従来法で得られた値は良好な相関を示した。これにより非接触で従来通りの測定が可能となり、被験者、験者双方の負担が大きく軽減された。 4.睡眠時無呼吸症候群患者に対する呼吸モニタリングへの応用:着衣下、毛布下で睡眠時の患者より呼吸を検知し、呼吸数をデジタル表示させる呼吸モニタリングの実用試験を行なった。体動時(寝返り等)、及びセンサ部のズレが生じた時の検知は不成功であった。現在、アンテナ部を拡大することで走査部の拡張を検討中である。
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