研究課題/領域番号 |
03557043
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
金出 英夫 九州大学, 医学部, 教授 (80038851)
|
研究分担者 |
西村 淳二 九州大学, 医学部, 講師 (90237727)
小林 誠 九州大学, 医学部, 助教授 (80225515)
|
キーワード | フラー2 / BCECF / 血管内皮細胞 / 心筋細胞 / エンドセリン / カプトリル |
研究概要 |
本年度は、1.既開発のOF-1型装置によってin situ大動脈弁内皮細胞のCaシグナルを記録する方法を完成し、これを研究に応用すること、2.昨年度開発のOF-2型装置を用いて潅流ラット心臓の代謝変化を記録することを、目的とした。 1.In situ大動脈弁内皮細胞のCa動態。ー本法を用いてin situ大動脈弁内皮細胞のエンドセリン(ET)受容体サブタイプを決定した。豚大動脈弁にフラー2を負荷し、OF-1型によって(Ca)iを測定した。ET-1、ET-3はともに内皮細胞の(Ca)i上昇を引起こした。同濃度で比較すると、ET-1による上昇はET-3による上昇よりも大きかった。ET_A受容体の拮抗薬BQ-123は、ET-1による(Ca)i上昇を、部分的に抑制した。ET-3による(Ca)i上昇は、BQ-123の影響を受けなった。最大効果(抑制)のBQ-123存在下において、ET-1の引起こす(Ca)i上昇は、同濃度のET-3の引起こす(Ca)i上昇と同経度であった。これらの結果から、in situ内皮細胞では、ET-1はET_A受容体とそれ以上(おそらくET_B)の受容体の双方を介して、内皮細胞に(Ca)i上昇を引起こすことが示唆された。 2.潅流ラット心臓の虚血・再潅流に伴う細胞内pH度化とカプトリルの保護効果。ーBCECFを負荷した潅流心臓の細胞pH変化をOF-2型を用いて記録した。心筋細胞pHは、左冠動脈結紫直後は軽度アルカローシスを示し、その後アシドーシスに転じ、時間経過とともに、これが増強した。アンジオテンシン変換酵素阻害剤カプトリル投与群は、虚血におけるアシドーシスの程度が軽く、重症不整脈の発生時防止され、心筋張力発生低下も防止された。心筋虚血、再潅流におけるカプトリルの保護作由の機房の一端が明かとなった。
|