研究分担者 |
平塚 純一 川崎医科大学, 講師 (30192298)
福田 寛 東北大学, 抗酸菌病研究所, 教授 (30125645)
市橋 正光 神戸大学, 医学部, 助教授 (00030867)
吉野 和夫 信州大学, 理学部, 助手 (70143964)
古林 徹 京都大学, 原子炉実験所, 講師 (90089136)
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研究概要 |
1.病型と腫瘍浸潤状況に応じた最適の治療方法を追球・実施。顔に広範囲に原発した悪性黒子型黒色腫,左右鼡径リンパ節に転移発生した深在病巣症例など経過良好。後者では体液の一部を重水置換して照射熱中性子の深部到達を図り,その有効性を確認。 2.3種の小動物で生体内^<10>B濃度の時間変化を即発γ線法で追跡,蓄積デ-タで得た新視点に立って^<10>B化合物の投与法を追究。 3.ファントム実験とSimalation計算で熱中性子束の体内分布を求め,深部線量増加の3手法(1)照射病巣前方に空洞作成(2)入射ビ-ムの方向性を変化(3)体液の一部重水置換を試み,各々に効果を認む。併用可。 4.武工大炉治療例(脳腫瘍99黒色腫9)と'89MIT会議の合意事項を総合し治療に必要な照射時間は「最大背景線量が2500RBE-cGyに達する時間」と定義した。同炉では4.06hrに当る(実例平均4hr強)。目,頭を含む全身,頭を除く全身の被曝は300,100,30RBE-cGy以下としたい(実例平均209,62.9,23.6)。 5.Chymotrypsinによる光学分割で^<10>B-BPAのD体とL体を単離,臨床必要量の供給可能。分離過程で生じる不純物はCelite処理で除去。o-BPAとm-BPAの合成に成功,上記法の援用で光学分割も可能。 6.第1項の2症例に鎮静剤投与と照射前後に亙る患者心身状態の管理・監視を施行。異状なし。 7.女性顔面治療法樹立。悪性黒子(1項参照)症例に^<10>B-BPA換算薬量85mg/kg体重を2回投与。局面病巣・正常皮膚・血液内^<10>B濃度をICP-MS定量,病巣表面線量は0.85×10^<13>nvtが最適と判断。後日170mg/kg単回投与と上記線量の照射で軽度糜爛を経て治癒。 8.^<10>B-BPAを点滴静注した患者の血液・正常皮膚・腫瘍の^<10>B濃度を経時測定,皮膚耐容線量を「点滴終了後の時間」の関数として追求。ある時間を超えると腫瘍根治線量の照射は皮膚障害のため不可。 9.直径1cmの腫瘍を41℃に保つと血流量は無加温に較べ1.5倍,2cm腫瘍では1.0のまゝ。腫瘍/皮膚の^<10>B濃度比は無加温の1.2倍で加温長短(0.5〜2hr)による有意差なし。
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