研究課題/領域番号 |
03557048
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
大山 永昭 東京工業大学, 工学部, 助教授 (50160643)
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研究分担者 |
山口 雅浩 東京工業大学, 工学部, 助手 (10220279)
本田 捷夫 東京工業大学, 工学部, 助教授 (10016503)
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キーワード | 三次元画像 / 三次元イメージング / X線CT / ボリュームレンダリング / 光学的情報処理 |
研究概要 |
本研究は、3次元X線CTとその3次元データを高速に表示するシステムを開発することを目的としており、前年度はコーンビーム投影を用いた3次元CTの開発及び3次元ボリュームデータを表示するための手法に関する検討を行った。本年度の主な検討課題は、1)コーンビームCTシステムの応用として心臓血管の3次元イメージング手法の検討及び実験、2)3次元ボリュームデータを高速に表示するための光-電子的なハイブリッドプロセッサを用いたシステムの試作、である。 1)では、心臓の拍動等により投影方向数が限られるため、通常の再構成手法では十分な画質の像を得ることはできない。そこで、血管は空間的に連続している等、画像に関して予めわかっている知識を再構成に導入することにより投影方向の不足を補う手法を用いた。再構成アルゴリズムとしては知識の導入が容易なシミュレーテッドアニーリング法を用い、血管の連続性等を拘束条件として定式化する際の方法に関して検討を行った。またファントムを用いた実験により、15方向の投影像から64×64×64ボクセルの3次元血管像を再構成することができた。 2)では、前年度検討した光学モデルに基づく手法を用いて、3次元のボクセルデータを高速に回転や拡大・縮小しながら表示するための光学処理系を用いたハードウェアを試作した。このシステムは、従来のCTの断層像を表示する際に用いるウィンドウ幅やレベル値と同様に、オペレータが自由に調整できるパラメータとしてCT値-光学常数の変換テーブルを持つ。試作したシステムにおいて、実際のX線CTのデータ等を用い、骨、脳、腫瘍部等を表示するための変換テーブルを求め、様々な角度の画像を作成した。その結果、従来X線CT画像から3次元的に表示するのは困難であった腫瘍等を含む軟部組織を、変換テーブルを変化させることで表示できることを示した。
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