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1992 年度 実績報告書

閉塞性脳血管境害に対する光力学的療法の開発に関する研究ー光増感色素を使用した血管内レーザー照射による選択的非侵襲的

研究課題

研究課題/領域番号 03557059
研究機関東北大学

研究代表者

吉本 高志  東北大学, 医学部, 教授 (50091765)

研究分担者 上之原 広司  国立仙台病院, 医師
嘉山 孝正  東北大学, 医学部, 講師 (50142972)
佐藤 俊一  東北大学, 素材工学研究所, 講師 (30162431)
田口 喜雄  東北大学, 医学部, 助教授 (70004885)
キーワード光力学的療法(PDT) / 動脈硬化症 / 閉塞性脳血管障害 / テトラサイクリン誘導体 / レーザー血管形成術 / 血管内手術 / 蛍光診断
研究概要

動脈硬化病変に対する光力学的療法の応用を目指し,平成3年度までに光増感色素としてテトラサイクリン誘導体のドキシサイクリン(Dc)を使用し,その動脈硬化組識への選択的集積性,レーザー照射効果の増強作用等を検討してきた。平成4年度は腹部大動脈に動脈硬化病変を作製した家兎動脈硬化モデルを使用し,Dcを静注により投与後,開腹,腹部大動脈を切開後,動脈硬化組織に直接レーザー照射することにより光力学的療法を施行し,その治療効果を継時的に検討した。レーザー照射条件は正常血管部に急性変化をおこさない程度の出力として,Nd:YAGレーザーの第3高調波(355nm)のパルス波(パルス幅10nsec,繰り返し数10Hz)を照射径7mm,照射中心出力0.3w/cm^2で3分間照射した。照射後は照射直後,1週間後及び2ヶ月後に摘出標本を作製し,光力学的療法の効果を組識学的に検討したところ,照射直後には時に変化を認めないものの,1週間後には全例に硬化内膜及び内膜下に壊死を思わせる細胞成分の減少が認められた。また,照射2ヶ月後の検討では照射中央部において動脈硬化組識の消減,辺緑部におけるその退縮が全例に認められた。本研究結果は光力学的療法がその光化学作用により動脈硬化組識を比較的緩徐な変化により消減,壊死させ得ることを示しており,血管損傷や末梢塞栓の可能性も少ないことを考慮すると非常に有望な治療法と言える。現在,フィバー導光による管腔内照射実験,さらに臨床応用を検討中である。一方,光増感色素の動脈硬化病変への選択的集積性を利用し,その集積程度と動脈硬化組識所見との関連より,動脈硬化や線維化の程度をよく反映しており,この結果を報告するとともに,現在,組識学的側面を反映した動脈硬化病変の質的診断法として臨床応用を検討している。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 藤森 清: "動脈硬化病変に対する光力学的療法の基礎研究;Tetracyctinc誘導体" 第11回日本レーザー医学会大会論文集. 321-324 (1990)

  • [文献書誌] 藤森 清: "動脈硬化病変の血管内蛍光診断に関する基礎的研究" 第12回日本レーザー医学会大会論文集. 231-234 (1991)

  • [文献書誌] 藤森 清: "動脈硬化病変に対する光力学的治療の長期効果の検検" 第13回日本レーザー医学会大会論文集.

  • [文献書誌] 藤森 清: "経皮的血管形成術における血管内エコー診断システムの使用経験" 第7回日本脳神経血管内手術研究会講演集. 227-232 (1992)

  • [文献書誌] 上之原 広司: "動脈硬化病変に対する光力学的療法の基礎的研究" 第6回日本脳神経血管内手術研究会講演集. 63-67 (1990)

  • [文献書誌] 上之原 広司: "動脈硬化巣に対する光力学的治療の長期効果,実験的検討" 第8回日本脳神経血管内手術研究会講演集.

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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