研究課題/領域番号 |
03557061
|
研究機関 | 国立循環器病センター |
研究代表者 |
岩田 博夫 国立循環器病センター研究所, 実験治療開発部, 室長 (30160120)
|
研究分担者 |
増澤 徹 国立循環器病センター研究所, 人工臓器部, 室員 (40199691)
雨宮 浩 国立小児医療研究センター, センター長 (80009563)
菊池 晴彦 京都大学, 医学部・脳神経外科, 教授 (20072746)
滝 和郎 京都大学, 医学部・脳神経外科, 講師 (70144368)
筏 義人 京都大学, 生体医療工学研究センター, 教授 (00025909)
|
キーワード | 脳 / 血管内手術 / 動静脈奇形 / 動脈瘤 / カテーテル / 塞栓剤 / 硬化剤 / 安全性 |
研究概要 |
現在有機溶媒に高分子化合物を溶解させた液体塞栓剤が用いられている。これらを病変血管に注入したとき、溶媒が直接血管壁を傷害する。ラット頚動脈からこれらの有機溶媒を注入して、血管壁に与える影響を評価した。血管壁への直接障害をなくすためには、ジメチルスルホキシドまたエタノールとも20%程度の低濃度で使用しなければならないことを明らかにした。20%以下の低濃度のエタノールに溶解した液体塞栓材料を開発した。今回合成した高分子素材はメタクリル酸メチルとメタクリル酸2-ヒドロキシエチル共重合体である。メタクリル酸メチルを20%含む共重合体が、エタノール/造影剤混合溶液に対する溶解性さらに血液中での析出速度も適当であった。臨床でも十分に使用に耐える塞栓剤であると考える。臨床的には、病変部位の血管を塞栓するのに有機溶媒が補助的な塞栓剤として働くのがいいのか、また有機溶媒の直接障害がないのが好ましいのかいまだ議論のあるところである。操作性のいいカテーテルを開発するために、カテーテル表面に親水性高分子をグラフトすることで潤滑性の付与が行われている。現在まで種々のグラフト法を開発してきたが、本年度は表面にマクロマーを吸着後、放電処理を行うことで表面グラフトを行う方法を開発した。われわれが開発してきた方法で、カテーテルに用いられているほとんどの高分子材料に表面グラフトできるようになった。
|