研究課題/領域番号 |
03557062
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
整形外科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
織田 弘美 東京大学, 医学部, 講師 (60101698)
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研究分担者 |
岡崎 裕司 東京大学, 医学部, 助手 (30241988)
落合 直之 筑波大学, 医学部, 助教授 (30134563)
中村 耕三 東京大学, 医学部, 助教授 (60126133)
長野 昭 東京大学, 医学部, 助教授 (30111537)
黒川 高秀 東京大学, 医学部, 教授 (90010298)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1993
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キーワード | 軟骨再生 / 創外固定 / 他動関節運動 / 牽引力 |
研究概要 |
現在、機能障害をきたした関節疾患患者には人工関節手術が行われているが、欠損した軟骨を再生する手段があれば、特に青壮年期の関節疾患患者にとっては朗報である。骨髄組織に存在する未分化間葉細胞の潜在能力を利用して関節軟骨を再生させる手段を見いだすことを目的にして本研究を行った。 創外固定器にコンピューター制御の持続的他動関節運動装置を接続した関節造成装置を考案し、家兎の膝関節において大腿骨および脛骨の軟骨・軟骨下骨を全切除しこの関節造成装置を装着した。関節面を非接触状態にした牽引モードで持続運動を行わせると、8週以上で硝子様軟骨の形成がみられた。 家兎の膝関節に持続的に牽引を加え、関節面を非接触に保ちつつ自動運動を可能にする創外固定器を作製し、大腿骨の荷重部関節面の軟骨下骨を貫く径3mmの全層欠損を作成し、この創外固定器を装着して自動運動を行わせた。関節面に牽引力がかかるようにして運動させた牽引運動群では4週で硝子様軟骨による修復がみられた。 正常軟骨に対する荷重の影響を知るために、家兎の膝関節運動を妨げることなく関節面を完全免荷する装置を考案し、完全免荷が関節軟骨に与える影響について検索した。3週から軟骨細胞の形態変化が生じ、9週では軟骨の厚みが減少し軟骨基質の変化を含む構造上の変化が生じていた。 以上より、骨端部には軟骨を再生する潜在能力が存在し、軟骨再生を生じさせるためには非接触状態で適切な運動を行わせる必要があり、一方軟骨組織を維持するためには適切な荷重が必要であることが明らかになった。
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