研究課題/領域番号 |
03557064
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
岡 正典 京都大学, 生体医療工学研究センター, 教授 (20088537)
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研究分担者 |
藤沢 章 京セラ株式会社, バイオセラム事業部
堤 定美 京都大学, 生体医療工学研究センター, 助教授 (00028739)
池内 健 京都大学, 生体医療工学研究センター, 教授 (30026223)
筏 義人 京都大学, 生体医療工学研究センター, 教授 (00025909)
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キーワード | 人工関節軟骨 / 人工骨 / 表面置換型人工関節 / 潤滑 / 人工材料への骨進入 / ショック吸収機能 |
研究概要 |
PVAを液相の間に多孔性の人工骨孔内に含浸させゲル硬化過程で両者を結合することにより人工骨・軟骨複合材料を作成し新しい表面置換型人工関節を開発する目的で行った研究成果は下記の通りである。 1.PVAハイドロゲルの改良:PVAの重合度を3,000から11,000の原液に変更し、annealingの温度を100度、時間を48時間に延長するなど様々の工夫をすることによりPVAゲルの引張り強度、耐摩耗性の向上を得ることができた。 2.PVA原液の人工骨孔内への含浸:多孔性人工骨としてチタンファイバ-メッシュを選んだが、硬化したゲルと人工骨との剪断強度は最高2.2MPaである。チタンファイバ-の孔径と孔形がPVAの含浸ならびに新生骨侵入に最適な200μm径になるように改良を重ねつつある。 3.PVAハイドロゲルの耐摩耗性:1.に記したPVAゲル合成方法の改良により耐摩耗性も向上し、一方向型ピンオンディスク試験機の結果ではポリエチレンと同じ摩耗量を示した。本材料は低速回転で摩擦係数の高くなる傾向があり往復動試験機の結果はポリエチレンのそれよりも悪く、1.に記した改良をさらに進める必要がある。 4.新しいFEMソフトを用いた股関節の応力解析により現行の人工股関節ではストレスの集中とシ-ルドが不可避であるが新しい表面置換型人工関節によって生体関節に似た応力分布の得られることを明らかにした。また骨頭デバイスの最適設計についても多くの新しい知見を得た。 5.犬ならびに猿にインプラントする本材料のデザインが出来次第動物実験を行い、また潤滑の働き得る新しい摩擦・摩耗試験機を作成して本材料の耐摩耗性の試験を行う。
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