研究課題/領域番号 |
03557066
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研究機関 | 香川医科大学 |
研究代表者 |
小栗 顕二 香川医科大学, 医学部, 教授 (40079934)
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研究分担者 |
宮武 明 香川医科大学, 医学部, 講師 (80211598)
横野 諭 香川医科大学, 医学部附属病院, 助教授 (70106425)
佐竹 弘 徳島大学, 工学部, 助手 (10124801)
金品 昌志 徳島大学, 工学部, 教授 (80035617)
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キーワード | 局所麻酔薬 / リドカイン / 被覆線型電極 / in vivo / 血中濃度 |
研究概要 |
局所麻酔薬イオン選択性膜の被覆電極を開発し、家兎血管内に留置した電極によるリドカイン(Lid)の血中濃度の連続測定が可能となった。本年度では電極法で得られた結果を高速液体クロマトグラフ法と比較し、さらにリドカインの代謝産物の電極電位に及ぼす影響を検討した。 日本白色家兎を用いウレタン麻酔人工呼吸下に実験を行なった。電極を大腿動脈より挿入し、センサー部を腹部大動脈内に留置いた。参照電極は腹部皮下に置いた。電極間電位はポテンシオメーターにより測定し、連続記録した。リドカインは耳静脈より投与した。リドカイン濃度は使用家兎の血清を使用して検量線を作成し、測定された電位差を血清リドカイン濃度に換算した。 電極法によるリドカイン血中濃度は投与後約15秒で最高濃度を示し、以後指数関数的に減少した。リドカイン投与5,10,30分後の電極法とHPLC法の濃度はほぼ同一の値を示した。原理的に電極法ではイオン化したリドカインのみに反応する。しかし、検量線を家兎血清において作成しているため、結合型をも含めて換算されているので結果的にはHPLC法と同様の結果が得られたものと考えられる。 リドカインは生体内代謝により、脱エチル化されたり(MEGX)水酸基が添加されたりする(水酸化リドカイン)。電極でそれぞれの溶解液の電位を測定すると約1/10の電位を示し、1×10^<-0.6〜-0.8>という選択係数が得られた。この結果は本電極によりLid濃度を過大評価する可能性が示唆された。 以上の結果から、さらに本電極法とHPLC法間に高い一致をみるには、本電極のイオン選択性、検量線作成方法などに課題を残すことがわかった。
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