研究課題/領域番号 |
03557069
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
中田 瑛浩 山形大学, 医学部, 教授 (50009495)
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研究分担者 |
大窪 清司 日本電気三栄, 医用電子機器製品本部
橋本 透 山形大学, 医学部, 助手 (20231516)
石郷岡 学 山形大学, 医学部, 助手 (20202989)
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キーワード | 骨盤底筋群電気刺激 / 過活動性膀胱 / 尿失禁 / ノルエピネフリン |
研究概要 |
本年度は、まず臨床において、10例の患者に骨盤底筋群電気刺激療法を施行した。症例はすべて、脊髄損傷や脳血管障害などの神経疾患に由来するものであったが、この結果をWorld Congress of Videourology(箱根、1991年)、第26回日本パラプレジア学会(東京、1991年)、バイオメカニズム学会(福岡、1991年)において発表した。臨床的には、11例中9例において有効であり、従来までの薬剤療法に不応であった患者に対して本法の有用性が確認された結果であった。 基礎の面では、正常家兎を用いての実験を行った。ウサギに対して人間と同様の刺激を加えたところ、膀胱のノルエピネフリンが増加するという現象が明らかとなった。このことは、本法により陰部神経が刺激されることにより、膀胱に対する交感神経遠心路が賦活化される証拠である。またこの様な膀胱の変化が、刺激中のみならず、刺激終了後も遷正する現象を見い出した。これは、本法が、刺激中以外にも臨床効果を示すメカニズム自体を表現する現象であり、今後基礎的事項の検索において、画期的知見であった。現在この知見に基づいて、オピオイドリセプタ-と骨盤底筋群電気刺激の関連を証明する実験を施行している。 刺激装置は現在のところ、外部刺激装置を使用して臨床に用いているが、現在、心臓に用いられているペ-スメ-カ-の使用を検討しているところである。刺激周波数などの問題があるものの、十分使用し得るものと考えられ、動物に対する埋め込みを予定している。
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