研究分担者 |
山城 千珠 香川医科大学, 医学部, 助手 (40243761)
田中 宏和 香川医科大学, 医学部, 助手 (80207125)
林 敬二 香川医科大学, 医学部, 助手 (30201718)
柳原 敏宏 香川医科大学, 医学部・附属病院, 講師 (90166546)
原 量宏 香川医科大学, 医学部, 助教授 (20010415)
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研究概要 |
前年度開発した小型家庭用分娩監視装置(3Kg)を用いて,通常の臨床の症例を中心に運用を開始した。またこれまでのJUST-PC方式から,最近パソコン通信で汎用されはじめたMNP方式の利用を中心に運用した。現時点のMNP方式においては,JUST-PC方式より伝送速度が低下するため,家庭から心拍数情報を伝送するためには,これまでよりやや時間がかかるが,実際の運用上問題となるほどではなかった。逆にパソコン通信を行う上で,特殊なモデムを必要としないこと,MNP対応のモデムの伝送速度はいずれ向上することが予想されること,またいずれの商用パソコンネットでも対応できることなどを考慮した場合,今後パソコン通信を用いた在宅管理システムの普及には大きな利点と考えられた。 対象とした症例は,妊娠中毒症,切迫早産などのハイリスク妊婦で,本来であれば入院管理が必要な症例を中心とした。また遠隔地の在住の妊婦に関しても本システムの応用を試みた。さらに診療所と病院の間においても,ハイリスク妊娠の症例を中心に,心拍パターンの伝送を試み,緊急帝切の適応の有無,母体搬送の必要性などの判断に十分役立つことが確認された。 病院側の受信システムに関しても,ノート型パソコンの導入により,医師側に関しても病院の部署以外の何れの場所からも,必要な妊婦の情報を随時監視できることが可能となった。このことは,妊婦および医療スタッフを相互に拘束せずに,密度の高い管理が可能となったわけで,その臨床的な意義は高いと思われる。 本システムが実用化したことにより,(1)ネットワークを関して家庭から基幹病院へ直接情報を転送することが可能になった。(2)一次施設からハイリスク妊婦の情報を直接基幹病院へ転送できる様になったことにより,母体搬送の必要の有無等を適切に判定できる様になったこと。(3)本システムにより軽減される医療従事者の労力を直接患者へのケアーにあてることが可能になったことは,周産期医療の向上に役立つ。
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