研究課題/領域番号 |
03557074
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
増田 寛次郎 東京大学, 医学部(病), 教授 (60010188)
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研究分担者 |
荻野 浩二 興和株式会社調布研究所, 研究第一課, 研究員
山下 英俊 東京大学, 医学部(病), 講師 (90158163)
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キーワード | レーザースペックル現象 / 網膜血流 / 網膜血管径 / レーザー / 網膜血管内血流速度 / イメージセンサ |
研究概要 |
平成3年度中に得られた結果をもとにして、2号機を作成したが、その際、網膜血流量測定において、血管内血流速度の測定以上に、血管径の正確な測定が必要であると考え、リアルタイム血管径測定装置を組み込むこととした。具体的には、眼底からの反射光をイメージセンサ上に結像させ、その画像を解析することにより、血管内血流速度測定と同時に、網膜血管径を測定しようとするものである。このときの照射光の中心波長は眼底像を結像したとき網膜血管と周囲組織のコントラストが最もよいとされる570nmとし、その反射光を512個のダイオードからなるPCDラインセンサー上に結像させた。この血管径測定装置の精度を確認するために、以下のような実験を行った。1)まず、予備実験として、解像度チャートフィルムをモデル血管として、そのスリットの幅の測定を行い、本測定法の再現性、測定誤差を求めた。スリット幅は8種類で、それぞれに対し、8回ずつの測定を行った。結果は、再現性が変動係数で0.160±0.083%(Mean±SD)、実値との相関係数は、0.999であった。また、本測定法で得られた測定値の平均値は実値に対して、誤差1.77±1.26%(Mean±SD)の範囲内であった。次に、正常人篤志者20名40眼を対象とし、1血管に対し3〜8回の測定を行ない、その再現性を検討した。また、測定直前に撮影した単色光による眼底写真スライド上の網膜血管の血管径を顕微鏡下で3〜5回測定、本方法による測定結果と比較した。その結果、眼底写真による測定の再現性が変動係数7.2±5.4%(Mean±SD)であったのに対し、本方法では3.14±2.73%(Mean±SD)であった。また、顕微鏡による測定値と本測定法との相関係数は、0.835であった。以上の結果をもとに、2号機に網膜血管径測定装置を組み込むこととし、その再現性実験、および各種薬剤の網膜血流量に与える影響をみる実験等を現在行っている。
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