研究課題/領域番号 |
03557082
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
青木 秀希 東京医科歯科大学, 医用器材研究所, 教授 (80014166)
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研究分担者 |
榎本 昭二 東京医科歯科大学, 第2口腔外科, 教授 (40013940)
今井 庸二 東京医科歯科大学, 医用器材研究所, 教授 (50013975)
中村 聡 東京医科歯科大学, 医用器材研究所, 助手 (40227898)
大柿 真毅 東京医科歯科大学, 医用器材研究所, 助手 (50223748)
赤尾 勝 東京医科歯科大学, 医用器材研究所, 助教授 (50143607)
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キーワード | 多孔質アパタイト / Bis-GMA / 多孔質アパタイト・Bis-GMA複合材料 / 曲げ・圧縮強度測定 / 生物学的安全性試験 / 細胞増殖率 |
研究概要 |
本年度は、合成した多孔質ハイドロキシアパタイト焼結体にBis-GMAを含浸させた複合材料の合成を行った。得られた複合材料の強度測定及び界面の微構造や組成を電子顕微鏡法やX線回折法により調べた。さらに培養細胞を用いて生物学的安全性試験を行った。 多孔質アパタイトは、湿式法により得られた粉末を800℃で仮焼し、5wt%PVAと混練後10%NaOH処理したポリウレタンスポンジに含浸させ、1200℃で焼結し得た。Bis-GMAは架橋材にアクリルエステル3EDを用い、重合開始材にBPOを用いて作製した。この際、Bis-GMAに対する架橋材の混合比を30%と40%の2種類を用意した。 多孔質アパタイト(気孔率80%)単体、Bis-GMA(3ED30%)・多孔質アパタイト複合材料及びBis-GMA(3ED40%)・多孔質アパタイト複合材料に対し、3点曲げ強度および圧縮強度を測定した結果、複合材料(3ED30%)の曲げ強度は単体の2倍以上(12.5MPa)、複合材料(3ED40%)では単体の4倍以上(23.1MPa)であった。圧縮強度は、多孔質アパタイト単体では測定不能であったが、複合材料では58MPaまで向上した。 Bis-GMA・多孔質アパタイト複合材料界面の電子顕微鏡像観察の結果、界面にクラックが見られるものの連続して接触している部分も見られた。X線回折パターンには、ハイドロキシアパタイト相の他に、カルシウム・メタクリレイトの相が存在していた。 L細胞を用いた生物学的安全性試験の結果、Bis-GMA単体に対する細胞増殖率に比べ、複合材料に対する細胞増殖率は多く、生物学的安全性が向上した。
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