研究概要 |
総義歯治療評価をするため,平成3年度に以下のような研究を行った。 1.口腔内要素,義歯の状態および心理的状態を定量的に把握するためのプロトコールを作成し,予備調査にて再現性を確認した。 2.約400名の無歯顎者に対して試作した診査用紙による調査を行い,そのうちデータの完全に揃っている320名分について分析を行った。 3.咀嚼スコアを計測することにより,無歯顎者の生理学的機能を検査した。 4.以上の大量のデータのうち,(1)無歯顎者の満足度,(2)術者による義歯の評価,(3)術者による無歯顎者の口腔内状態の評価,(4)無歯顎者の咀嚼スコアについて多変量解析を行い,各種パラメータの相互関係を統計学的に明らかにした。 5.臨床上重要なパラメータの検索を行い,無歯顎診断システムを構築した。 この結果に基づき,平成4年度は以下のような検討を行った。 1.診査項目の再検討を行い,患者の満足度や口腔内の状態などを定量的にスコア化でき,日常臨床で使用可能な診査用紙の作成を行った。 2.補綴処置の予後の評価を行い,術前の診断結果と比較検討した。 3.すべての結果の総括を行い,本システムの有用性を明確にし,実用化に結びつけるよう検討を行った。
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