研究課題/領域番号 |
03557085
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
藤井 弘之 長崎大学, 歯学部, 教授 (20067060)
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研究分担者 |
小池 麻里 長崎大学, 歯学部, 助手 (00234667)
中村 茂 長崎大学, 歯学部, 助手 (90227900)
浪越 建男 長崎大学, 歯学部, 助手 (70237593)
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キーワード | 金属アレルギ- / リンパ球増殖試験 / in vitro検査法 |
研究概要 |
本邦において感作率が高く、内服試験等による検査が困難な水銀に対するin vitro検査が臨床上極めて有用であると考え、水銀を用いリンパ球増殖試験(LPT)を行った。パッチテストであらかじめ確認しておいたHg^<2+>感作陽性者7名と陰性者5名から末梢血を採取し、LPTの基本術式に従ってリンパ球の培養を行った。ただし、RPMI-1640培養液は2-mercaptoethanol(2-ME)を含むものと含まないものの2種類を準備し、添加した血清はウシ胎児血清とした。また添加するHg^<2+>の濃度は従来の報告を参考に0.025μM、0.13μM、0.25μM、1.3μM、2.5μM、13μM、(最終濃度)の6段階、培養時間は144時間とした。 Hg^<2+>モル濃度1.3μM以上では感作の有無にかかわらず2-MEを添加した試料群のS.I.値(抗原添加検体cpm/抗原無添加検体cpm)はこれを含まない試料群の当該値に比べて小さく、2-MEを添加するとリンパ球の増殖にともなって高くなることが明らかになった。しかし、S.I.値が目標値より小さく、感作強陽性者群と陰性者群のS.I.値間に明瞭な差を見いだされなかった。 一方、Hg^<2+>を添加しなかったコントロ-ル群のcpm値は、先人の報告に基づく予測値(数10〜数100)よりもはるかに高い値(3900〜4500)であった。このことは、本実験条件下では、リンパ球が水銀以外の因子で刺激されていたことを示し、とくに培養時に用いたウシ胎児血清の作用について検討する必要があることが示唆された。今後、症例を増やし、ヒト血清を用いるなどさらに詳細な検討が必要であると思われた。
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