研究課題/領域番号 |
03557101
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
鎌滝 哲也 北海道大学, 薬学部, 教授 (00009177)
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研究分担者 |
伊東 進 北海道大学, 薬学部, 助手 (70223154)
横井 毅 北海道大学, 薬学部, 助教授 (70135226)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1993
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キーワード | チトクロームP450 / Poor metabolizer / カフェイン / N-アセチル転移酵素 / 多型性 / CYP1A2 / CYP2D6 / CYP2C |
研究概要 |
(1)P4502D6について、スパルテインのin vivo代謝試験の結果、poor metabolizer(PM)を一例見いだした。このPMのゲノムDNAについて、塩基配列を解析した結果、エクソン9のヘム結合領域近くに、9塩基のインサーションを見いだした。このPMの家族解析の結果、父親はヘテロの欠損型(D型)、母親はヘテロで9塩基のインサーションを持つことが明らかになった。また、PM本人は、欠損型とインサーションの両方を併せ持つことが明らかとなった。 (2)P4501A2はフェナセチンやカフェインの代謝にかかわり、代謝能に多型性があることが示唆されている。そこで、1)カフェインを225人のボランティアに投与し代謝試験を行なった。その結果、約15%のヒトがPMと考えられるプロビットプロットの変曲点が得られた。次に2)10家族の2世代についてin vivo代謝試験を行い、PMが常染色体劣勢遺伝をすると、矛盾無く説明出来る結果が得られた。そこで3)in vivo試験において典型的なPMとextensive metabolizer(EM)であった2名について、ゲノムDNAの塩基配列を、PCR法を用いて検討した。その結果、エクソンまたは、エクソン-イントロジャンクション部分に、PMとEMでの差異は認められなかった。 (3)N-アセチル転移酵素について、カフェインin vivo代謝試験の結果、2相性のプロビットプロットが得られた。同一人からゲノムDNAを抽出し、PCR-RFLP法で判定を行なった。in vivo代謝試験でのPMはhomo変異型であった。また、hetero変異型の群とwild型の群との代謝能に明らかな有為差があることを見いだした。 (4)ヒトS-メフェニトイン代謝型チトクロームP450(P450IIC)のPMとEMについて、遺伝的代謝能の差異を遺伝子レベルで検討した。CYP2C9とCYP2C18について、cDNAレベルでの配列の差異を、比較検討した。その結果PM、EMで塩基配列に差は認められなかった。さらにヒト肝試料を用いて、in vitroでS-メフェニトイン代謝のPMとEMの判定を行なった。これらのヒト肝からRNAを調製し、CYP2C9とCYP2C18の発現量をRT-PCRで測定した。この値とS-メフェニトイン代謝能の相関を調べたところ、CYP2C18が高い相関を示した。
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