研究課題/領域番号 |
03557106
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
田口 喜雄 東北大学, 医学部, 助教授 (70004885)
|
研究分担者 |
佐藤 俊一 東北大学, 素材工学研究所, 講師 (30162431)
黒川 良望 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (80215087)
|
キーワード | 細胞融合 / レーザー / 細胞内光手術 / 光トラッピング |
研究概要 |
装置の開発は昨年度に基本的に終了したので、今年度は実際に使用して、その改良、改善を行った。光源はエキシマレーザーで、微細加工装置と各種レーザーを光源とする光トラッピング装置を一体化し、同一顕微鏡内に装置した。本年度も昨年度にひきつづき動作性能評価と基本特性を解析した。しかしながら細胞内光手術は、昨年度から継続中の細胞融合を主としたため、細胞表面の膜の消去、蒸散を主とし、一部細胞の核の蒸散、ミトコンドリアと予想される部分の蒸散を行ったにすぎす、十分な結果は得ていない。 以下に動作評価と基本特性について報告する。 (1)波長によるトラッピング力の相違 アルゴン(波長540nm)、半導体(830nm、1300nm,1500nm)のレーザーを用い、微小体の光トラッピング操作を実現した。照射光強度と光トラッピングの力の水平方向成分との間には比例関係が認められ、また波長が短いほどトラップ力は大きくなることを確かめた。 (2)高次横モードによる光トラッピングの実現 光源にNd:YAGレーザーを用いてTEM_<01>高次モードがTEM_<00>基本モードより強い光トラッピング力を持つことを確認した。また出力10mWのNd:YAGレーザーで30分間イースト菌をトラップしたが、何等変化は観察されなかった。 (3)回転操作の実現楕円状の強度分布をもつ半導体レーザーを用い強度勾配の大きい短軸方向の力が長軸方向の力より大きいことに着目しマウス赤血球を回転操作することに成功した。これにより対象物の補捉、転送操作に加え回転操作がこの技術による非接触的に行える事を実証した。 (4)エキシマレーザーを用いた細胞融合法の至適条件 ミエローマ細胞を対象に細胞融合率に対するレーザー光照射条件について種々検討した。本実験では1.5J^<-6>30パルスが至適条件で、この条件下で50%の細胞融合に成功した。引き続き他の細胞について同譲の実験を進めている。 以上の一連の検討結果をビデオに収録することができた。
|