研究課題/領域番号 |
03557109
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研究機関 | 香川医科大学 |
研究代表者 |
千田 彰一 香川医科大学, 医学部・附属病院, 助教授 (30145049)
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研究分担者 |
片倉 景義 日立製作所, 中央研究所・第九部, 主任研究員
西村 敏博 大分大学, 工学部, 助手 (70117406)
森田 久樹 香川医科大学, 医学部・附属病院, 講師 (70145051)
宇多 弘次 香川医科大学, 副学長 (80107044)
松尾 裕英 香川医科大学, 医学部, 教授 (90028514)
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キーワード | 超音波顕微鏡 / 超音波組織診断 / 音響学的指標 / 厚み規格化試料台 / 温度規格化試料台 / 音響カバ-プレ-ト / 冠動脈 / tissue characterization |
研究概要 |
本研究は、高周波超音波顕微鏡より得られる音響学的指標を用いて、生物組織の性状を定量的に評価し、生物組織性状診断法を開発することを目的とする。 1.生物組織薄膜切片でのCモ-ド像とX-Zモ-ド像の抽出:ヒト冠動脈、大血管、心筋、腎、肝、胃のホルマリン固定後の薄膜切片を用い、二次元画像であるCモ-ド像を抽出し、光学顕微鏡とほぼ同程度の画像を無染色で得られた。Cモ-ド像上の微小領域でのX-Zモ-ド像から干渉法を用い、冠動脈、大血管内膜の音速を計測した。 2.生物組織の音速定量計測の精度に関する検討:音速の計測精度には、試料厚み、温度、試料表面エコ-強度などが大きく関与する。(1)厚み規格化試料台の作成(2)測定部温度規格化試料台の作成(3)試料表面エコ-の及ぼす影響に関する検討を行い、音速定量計測の精度は十分満足すべきものであることを証明した。 3.生の試料の音速定量計測:将来的に非侵襲的臨床計測法をめざす。従来行ってきたホルマリンによる組織固定を経ないで、直接凍結による試料切片を作成し、これを計測するための試料台を工夫する。得られた結果につき脱パラ切片との対比を行って両者の関連性の検討成績を集積中である。 4.音響カバ-プレ-トの開発:特殊樹脂による音響カバ-プレ-トを導入し、試料台に新たな工夫を施せば組織の音響インピ-ダンスを反映する反射強度と音伝播速度を測定し、これらより弾性率と密度とを求めることが可能である。予備検討の結果では、商品名ベスベルとして知られる樹脂を厚さ5μmのシ-ト状にロ-ル延伸したものが良好な成績であったので、これを用いてデ-タを集積中である。 5.超音波信号解析装置の充実:超音波顕微鏡から得られる反射強度と音速に関する多数の信号を受信して、演算処理をする必要があり、そのためのハ-ド・ソフト両面の機能を満足する解析装置を整備している。その主体は新規購入したAD変換機と計算機である。
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