研究課題/領域番号 |
03557113
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
加藤 隆一 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (40112685)
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研究分担者 |
宮道 慎二 明治製菓(株)薬品総合研究所探索研究所微生物, 室長
甲斐 文夫 明治製菓(株)薬品総合研究所新薬研究所, 所長
永田 美樹 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (10196488)
永田 清 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (80189133)
安盛 俊雄 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (70182350)
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キーワード | ヒト肝 / 薬物代謝酵素 / チトクロームP-450 / 異所的発現 / ヒト薬物代謝能 |
研究概要 |
前年度に引き続きヒト肝cDNAライブラリーのスクリーニングを行い、その結果ヒトチトクロームP450(CYP)2D6cDNAに対応する数個のクローンが得られ現在その解析を進めている。また単離されたヒトCYP3A4cDNA、ヒトチトクロームb_5cDNAおよびヒトNADPH-チトクロームP450還元酵素cDNAをガラクトース代謝系構造遺伝子GAL7プロモーターとターミネーターを持つ発現ベクターpAA7に挿入するための組換えDNA実験を行った。各々のタンパクをコードするcDNAのうち翻訳領域の全長を含むDNA断片を発現ベクターpAA7のGAL7プロモーターとターミネーターの間に挿入して発現プラスミドを構築した。酵母菌株MT8-1を各々別個に3種の発現プラスミドpTY3A4(CYP3A4cDNA)、pTYHB5(ヒトチトクロームb_5cDNA)、pTYHR450(ヒトNADPH-チトクロームP450還元酵素cDNA)を用いて形質転換し、タンパク生産性酵母MT8-1[pTY3A4]、MT8-1[pTYHB5]およびMT8-1[pTYHR450]を得た。これらの形質転換酵母を合成培地SGlyLac中で培養し、菌数が前期対数増殖期に達した時点でD-ガラクトースを培地中の添加してタンパクを誘導発現させた。菌体を破砕した後、遠心して破砕画分を除きその上清画分を調製した。ラットの3種の精製タンパクに対する抗血清を用いてウェスタンブロッテイングを行ったところ、抗体に反応するバンドが検出され、各々のcDNAに対応するタンパクの発現が認められた。また同一酵母菌内に複数のタンパクを同時に発現させることを目的として発現ベクターの改良を行った。発現ベクターpAA7よりGAL7のプロモーターとターミネーターを含むDNA断片を単離し、これを選択マーカーがTRP1遺伝子であるシャトルベクターpTV3に移して発現プラスミドpYN800を構築した。発現ベクターの選択マーカー遺伝子がURA3からTRP1に変換されたことによりpAA7由来およびpYN800由来の発現プラスミドが同一酵母内に導入することができ、異種タンパクの酵母内に共発現することが可能になった。
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