研究概要 |
救急蘇生術訓練用患者シミュレータを用いた蘇生術訓練用を目的としたマルチメディアを応用した手技獲得型総合CAIシステムの開発と評価を目的として,今年度は基礎教材の改良,コンピュータ制御による,実習模様のVTRレコーダのインデックス機能による録画・再生操作のオンライン化,および試作教材を用いた訓練効果の予備的評価を行った.基礎教材開発にはHyperCardを用い,教材中にテキスト,音,絵およびアニメーションを使用した.また,全実習をVTRに収めることにより術者の姿勢の良否,心臓マッサージ時の肘関節の屈曲状態等の程度および生起頻度について解析した.実習には看護短大2年生を対象とした実習(2人一組とし,合計40組)を,24組を教官による従来型で,16組を試作した教材を用いて不備な点をVTR録画を用いて対話的に指摘するマルチメディア型で指導を行ない,実習効果の判定を行なった.2回の試行で蘇生に成功するようになった組は従来型で83%,マルチメディア型で100%であった.心臓マッサージの全ストローク中,90%以上が正確にできている学生は従来型では29%,マルチメディア型では44%となり,開発したマルチメディア型CAIシステムが有効であることを確認した. 動画等の教材の一部をレーザディスク化することを考慮し,本年度購入した,レーザディスクプレーヤと制御用コンピュータの有機的結合のためのインタフェースを設計し,基本ソフトウエアを開発した.今後,シミュレータ本体と制御用コンピュータおよび,AV装置を結合し,より柔軟性のある総合CAIシミュレータシステムとしていく予定である.
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