研究課題/領域番号 |
03557116
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研究種目 |
試験研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
内分泌・代謝学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
北 徹 京都大学, 医学部, 教授 (60161460)
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研究分担者 |
成定 昌幸 塩野義製薬(株), 常務取締役研究所所長
吉岡 秀幸 京都大学, 医学部, 助手 (30231690)
長野 豊 京都大学, 医学部, 助手 (80228048)
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研究期間 (年度) |
1991 – 1992
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キーワード | WHHL-ウサギ / HMG-C_0A還元酵素 / 肝細胞 / プロブコール / LDL受容体 |
研究概要 |
動脈硬化治療薬のスクリーニング法の確立を目的として、昨年報告したごとく、家兎肝細胞培養系を作製することに成功した。しかも、この系にコラーゲンを添加することにより、家兎肝細胞の培養が容易になることを見い出し、研究の推進が計られた。 コントロール実験のため使用していたHMG-G_0A還元酵阻害薬について新たなる知見を得ることができた。つまり、昨年度報告のごとく、HGM-C_0A還元酵素阻害薬は、肝細胞のLDL受容体の発現誘導を〓起すること、さらに結果として血中LDLがこの効果により低下することがその効用として確認された。ところが、本剤を培養肝細胞に添加しつづけると、肝細胞におけるLDLの構造蛋白であるアポ蛋白B-100の分秘が低下することを新たに見い出した。さらに、本剤は細胞内のコレステリルエステルの合成量を減少することにより、アポ蛋白B-100の細胞内分解を促進することが明らかになり、結果として分秘量の低下を引き起こすことが明らかになった。アポ蛋白B-100のmRNAの発現量には影響を与えないことから、翻訳後調節であることが見い出された。コレステリルエステルの細胞内量により調節されている蛋白に、HMG-C_0A還元酵素、LDL受容体があり、その詳細な分子機序を現在検討中である。この事実は高脂血症患者に対して新たな作用機序の薬剤として、今後臨床応用されることは疑う余地がない。なお、抗動脈硬化作用と抗高コレステロール血症作用を併せ持つ薬剤については引き続きスクリーニングを続けたいと考えている。
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