研究概要 |
周波数24GHz,出力1MW以上,時間幅50nsの巨大なマイクロ波パルスを発生させるプラズマ後進波発振器を2年間で開発するのが目的である。第1年度である平成3年度には次の様な作業を行った。 (1)発振器の中心部である遅波構造の最適設計を行った。線形数値解析の範囲で設計した。構造の平均半径を(30mm)下げないで所要の発振周波数を得る必要があり軸方向ピッチを3.4mmに選んだ。パラメ-タの変動に対して発振条件が余裕を持ちできるだけ時間空間成長率が増大する様に広範囲にパラメ-タを変えて計算し,遅波構造の寸法を決定し,注文製作中である。 (2)手持ちのマルクス発生器(250KV)を整備し,高電圧同軸ケ-ブル(長さ20m,100ns)を用いたパルス形成線路を自作した。トリガ-回路,制御回路を一部自作し,一部を注文製作した。抵抗負荷を使って高電圧パルス発生試験を行った。電圧電流波形測定を行った。 (3)水冷式磁場コイル装置を整備し,磁場強度および分布の測定を終了した。コイル内径15cmで,約50cmの長さにわたって4.5KGの均一な磁場を発生させることが出来た。 (4)拡散ポンプによる真空排気装置をオ-バ-ホ-ルし,動作させた。また,今回新たに購入した分子ポンプによる差動真空排気装置を設計・製作した。現在,ガラス管を接続して試運転中である。 (5)直径20mmのブラシ電極を試作した。現在,予備実験中である。 (6)導波管WRJ260(長さ2m,50本)によるマイクロ波遅延回路を製作した。これは発振周波数スペクトルを測定することが出来る。 総合試験は最終年度である平成4年度に行い、研究目標を達成する。
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