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1992 年度 実績報告書

高度な開放性をもつ分散オペレーティングシステムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 03558006
研究機関東京大学

研究代表者

益田 隆司  東京大学, 理学部, 教授 (80114130)

研究分担者 清木 康  筑波大学, 電子情報工学系, 助教授 (10169956)
加藤 和彦  東京大学, 理学部, 助手 (90224493)
キーワード分散オペレーティングシステム / 遠隔手続き呼び出し / 高階関数 / スレッド / タプルスペース / 二次記憶管理 / ファイルシステム / 複合オブジェクト
研究概要

平成4年度は、XEROのもっとも基本的な機能を提供する3つのモジュールの実現を行なった。これまでに購入したSONY NEWSでマルチスレッド機構とタプルスペースに基づく統合通信空間の管理機構の開発を、そしてSPARCsta-tionで複合オブジェクトを用いた二次記憶管理機構を開発した。
スレッド管理機構は第1版が完成し、現在性能改善のための第2版を開発中である。複合オブジェクト管理機構は、UNIXのraw device上のファイルシステムとして実装している。現在基本データ型、型構成子、及び型情報管理部分が完成した。現在複合オブジェクト管理の高速化のための永続キャッシング機構を実装中である。統合通信機構は、複合オブジェクト機構と並行して実装を進めており、現在までにコンテクストを生成するコンパイラが完成した。
また静的に型付け可能な型システムにおいてポインタ型データや高階関数を含む任意のデータ型を、分散したサイト間で交換することを可能とする高階RPC技術(higher-order remote procedure call technique)を開発した。これまでの遠隔手続き呼び出し技術では、遠隔手続きの中でポインタが指す値を参照することや、高階関数はサポートされなかった。高階RPC技術を用いるとこれらの点が解決され、またcall-by-referenceで遠隔手続きに引数を渡すことができる。
さらに、UNIXの基本ユーティリティのXEROへの移植とUNIXのコマンドインタプリタであるシェルからマルチスレッド機構を利用するための機能を開発した。UNIXのユーティリティ群の移植及びシェルのマルチスレッド化は、XERO上にUNIXのカーネル機能をエミュレートする機構を追加することによって実現した。個々のユーティリティを変更するかわりにカーネル機能をエミュレートするこの方法は、ユーザーレベルプログラムのパイナリコンパチビリティを保つという点で、非常に有効であることがわかった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] S.Chiba,K.Kato,and T.Masuda: "¨Exploiting a Weak Consistency to Implement Distributed Tuple Space,¨" Proceedings of IEEE 12th Int.Conf.on Distributed Computing Systems. 416-423 (1992)

  • [文献書誌] S.Inohara,K.Kato,and T.Masuda: "¨Unstable Threads'Kernel Interface for Minimizing the Overhead of Thread Switching,¨" to appear in the Proceedings of the 7th IEEE International Parallel Processing Symposium. (1993)

  • [文献書誌] K.Kato and T.Masuda: "¨Persistent Caching:An Implementation Technique for Complex Objects with Object Identity,¨" IEEE Trans.Software Engineering,. 18. 631-645 (1992)

  • [文献書誌] K.Kato,A.Narita,S.Inohara,and T.Masuda: "¨Distributed Shared Repository:a Unified Approach to Distributed and Persistent Information Management,¨" Proceedings of IEEE 13th Int.Conf.on Distributed Computing Systems. (1993)

  • [文献書誌] 加藤 和彦,成田 篤信,猪原 茂和,坂田 尚也,益田 隆司: "“分散OS XEROにおける分散共有格納庫について"" 第4回コンピュータシステムシンポジウム論文集. 10. 111-118 (1992)

  • [文献書誌] 加藤 和彦,大堀 淳,村上 岳生,益田 隆司: "“高階遠隔手続き呼び出しに基づいた分散C言語について,"" コンピュータソフトウェア. 9. 65-82 (1992)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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