研究課題/領域番号 |
03558006
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
益田 隆司 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (80114130)
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研究分担者 |
加藤 和彦 筑波大学, 電子・情報工学系, 講師 (90224493)
猪原 茂和 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (30251391)
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キーワード | 分散オペレーティングシステム / 遠隔手続き呼び出し / 高階関数 / スレッド / タプルスペース / 二次記憶管理 / ファイルシステム / 複合オブジェクト |
研究概要 |
本研究では、分散システムの構築上特に重要であると思われる開放性に重点を置いた分散オペレーティングシステムXEROの研究開発を進めた。開放性とは、個々のハードウェアシステムのアーキテクチャおよびソフトウェアシステムのアーキテクチャの内部的なデータ表現を乗り越えてデータの通信と共有を行なう性質をいう。開放性に対する根本的な検討の結果、XEROでは次のような新たな機構をもつこととした。すなわち、動的マルチスレッド機構によりユーザプログラムを高速に並行実行する機構、遠隔手続き呼び出しに基づいた開放的スレッド間通信機構、二次記憶上の永続的オブジェクトを論理的なデータ型を保って管理する機構、そして、スレッド間通信と永続オブジェクトの操作を統一的に行なう機構である。平成4年度から、進めてきたこれらの機能を実現するためのモジュールの実現を行っており、平成5年度は、各モジュールを完成させるとともにそれらを組み合わせて、分散オペレーティングシステムXEROを構築することを目標に研究を行なった。現在までに(1)スレッド管理機構は第1版が完成し、さらに性能改善のための第2版を開発した。(2)静的に型付け可能なポインタ型データや高階関数などを分散環境上で交換する高階RPC技術(higher-order remote procedure call technique)を開発した。(3)UNIXの基本ユーティリティのXEROへの移植とUNIXのコマンドインタプリタであるシェルからマルチスレッド機構を利用するための機能を開発した。さらに、(1)と(3)は、ターゲットマシンであるNEWS-1750上で結合を終了し、動作を確認した。(2)と(1)および(3)との結合は未完成であり、現在も進行中である。
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