研究分担者 |
八田 一郎 名古屋大学, 工学部, 教授 (70016070)
坂田 誠 名古屋大学, 工学部, 助教授 (40135306)
原田 仁平 名古屋大学, 工学部, 教授 (80016071)
鈴木 淳巨 名古屋大学, 工学部, 助手 (40196788)
山根 隆 名古屋大学, 工学部, 助教授 (80030055)
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研究概要 |
本研究はイメージングプレート(IP)を装着したカメラを既設の超強力X線発生装置と組合せて、従来の方法では測定不可能なほどの弱い回折X線を測定しようというものである。X線回折イメージプロセッサー〔(株)マツノサイエンス社製〕を強力X線発生装置と組み合せ、データ処理用にサン・ワークステーションを選び,NICEを通じて大型計算機センターと直結した。まず数種の蛋白質結晶について行なった。 1.リゾチーム結晶では1.8Åという高分解能のデータをデータ処理も含めて,24時間で測定することができた.このスピードは従来では全く考えられない大きいものであった。精度も4%で、これも第一級のものである。要した測定IPは31枚で,反射数は30,000であった。 2.プロテアーゼ・インヒビター結晶では筑波放射光実験施設での測定データとほぼ同等の分解能,精度のデータを10時間弱で測定できた。用いたIPは21枚で,1枚あたり露光時間は25分間である。このスピードも従来より1桁大きい。このデータで構造の精密化を行なったが、放射光でのデータと比較して、遜色がなかった。 3.アミラーゼ結晶は従来型と耐熱性の2種類について行なった。結晶が小さく、高精度のデータは得られなかったが、結晶性のチェック、重原子誘導体のチェック等には能率よく使えることが明らかになった。以上、いくつかの蛋白質結晶では、放射光での測定に匹献するほどの精度のデータを数時間から1日で測定できることが明かになった。当初の目的を充分に達成できたと考えられる。本システムは今後は蛋白質結晶解析に汎く利用されよう。
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