1)実験室内のイメージング・プレートX線回折計の整備。 本年度購入の『イメージング・プレートX線回折計用マイコンシステム』を、既有の部分と組み合せ、Ethernet方式で既有のコンピューター・グラフィックス装置と接続した。 2)イメージング・プレートX線回折計の性能評価。 上記の1)のシステムにより、リボヌクレアーゼAの新型三方晶からのX線回折データを収集し、分子置換法による構造精密化を行ったところ、十分に高精度の結果が得られた。 次に、レ-アスパラギナーゼの結晶を用い、データ収集を行った後、これを、約10年前に4軸自動回折計で集めたデータと比較したところ、両者の間の相対誤差が5%以下となり、驚くべき一致を示した。 これらの事実より、上記の1)で開発したシステムから得られるデータは、a)十分に低いランダム・エラーのレベルを持ち、かつ6)何らの深刻な系統誤差をも含まないことが証明されたことになる。 3)上記の1)のシステムにより、以下の蛋白質の結晶構造解析に成功した(かっこ内は、適用した方法論を示す):インターフェロン-β(重原子同型置換法による新規の構造解析);SSI-トリプシン複合体(分子置換法による構造解析)。
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