研究課題/領域番号 |
03558018
|
研究種目 |
試験研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物質生物化学
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
高木 俊夫 大阪大学, 蛋白質研究所, 教授 (00029943)
|
研究分担者 |
久保田 英博 アトー(株), 技術開発部学術研究課, 課長
岡 宏一 大塚電子(株), 基礎開発部, 部長
亀山 啓一 大阪大学, 蛋白質研究所, 助手 (60177607)
|
研究期間 (年度) |
1991 – 1993
|
キーワード | 電気泳動 / キャピラリー / ポリマー |
研究概要 |
キャピラリー電気泳動においては内径が50〜100μmの細管の内部を分離の場として活用する。そこでは、地球上で液体について精密測定を行う場合に何時も支障となる対流が発生しにくい。このために、蛋白質や核酸といった生体高分子を分子のサイズにしたがって、ふるい分けるために用いられてきたゲルの代わりに無架橋線状ポリマー溶液を活用できるようになった。この種の溶液が“ふるい"として働くことは既に知られていたが、本研究は、それをキャピラリー電気泳動へ導入することを提唱する段階から始められた。しかし、新手法である“無架橋ポリマーキャピラリー電気泳動"を分析手法として確立するためには、実験と理論の両面において基礎的な研究が必要である。同法に関わっている研究者達は、すべて単なる分析手法としての同法の応用を追求している。本研究においては、同法の基盤をなしている分子ふるい機構の原理を明らかにすることを通じて、より高度の応用面を開拓することに重点を置くことにより、独自性を打ち出すことにした。これまでに、研究した事項は以下の通りである:1)無架橋線状ポリマー電気泳動の実施に当たっての全ての技術的な問題点を検討し、日常的に実施できる方式を確立した;2)分子量分布が非常に狭くなるように高度に分画された多糖、プルラン、を媒体として用いることによって、線状高分子のサイズとDNAフラグメントに対する分離能との関連を明らかにした;3)同様な性格の多糖、デキストラン、を媒体としてSDS存在下での蛋白質についても同様な検討を加えた。得られた結果は、無架橋線状高分子キャピラリー電気泳動においては、高分子のサイズと濃度の選択により分離能を様々に制御できることが明らかになった。
|