研究課題/領域番号 |
03558019
|
研究種目 |
試験研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
代謝生物化学
|
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
高井 義美 神戸大学, 医学部, 教授 (60093514)
|
研究分担者 |
佐野 公彦 神戸大学, 医学部・附属病院, 講師 (40205993)
川原 康洋 神戸大学, 医学部・附属病院, 講師 (80169755)
佐々木 卓也 神戸大学, 医学部, 助手 (40241278)
菊池 章 神戸大学, 医学部, 講師 (10204827)
貝淵 弘三 神戸大学, 医学部, 助教授 (00169377)
|
研究期間 (年度) |
1991 – 1993
|
キーワード | 低分子量GTP結合蛋白質 / 活性制御蛋白質 / 標的蛋白質 / REKS / Rho / Rab3A / Rabphilin-3A / Smg GDS |
研究概要 |
本研究では、私共の発見した低分子量G蛋白質とその関連遺伝子のcDNAプローブおよび抗体を作製し、低分子量G蛋白質の活性制御機構や作用機構の解明に有効利用すると共に、種々の病態の理解や病因の解析、診断法、治療法の開発に応用することを目的としている。私共は本研究で低分子量G蛋白質としてRap1、Rab3A、-B、-C、活性制御蛋白質としてRabGDI、RhoGDI、SmgGDS、標的蛋白質としてRabphilin-3A、REKSを同定した。私共はこれらの精製蛋白質を用いた実験から、SmgGDSはSosが活性化したRasを細胞膜から細胞質へトランスロケーションする活性をもつことを明らかにした。さらに、私共はRasの標的蛋白質を同定する目的で、RasがMAPキナーゼキナーゼを活性化してMAPキナーゼを活性化する無細胞系のアッセイ系を確立した。私共は、このアッセイ系を用いて、Rasによって直接活性化される未知の因子を精製し、REKSと命名した。一方、私共は、C3やRho GDIを用いた実験から、Rhoが平滑筋の収縮、細胞形態、細胞膜のラッフリング、細胞運動、細胞質分裂を制御していることを明らかにした。さらに、私共はRab3Aの標的蛋白質としてRabphilin-3Aを見出し、そのcDNAを単離した。Rabphilin-3Aの変異型cDNAと抗体を用いた実験から、Rabphilin-3Aがシナプスでの神経伝達物質の放出に重要な役割を果たしている可能性を示した。このように、低分子量G蛋白質とその活性制御蛋白質、標的蛋白質のcDNAプローブが抗体を用いることによって、低分子量G蛋白質の活性制御機構や作用機構が解明できただけでなく、それらは種々の病態の理解や病因の解析、診断に応用されつつあり、本研究計画はほぼ達成できたと考えている。
|