平成3年度の研究計画・方法に沿って、以下のように進めた。 1.改良用設計図の作成 (1)大気イオン、放射性イオンの電気的移動度分解能の向上と移動度測定範囲を拡げるため、従来のものに代えて、直径10cm、第1電極102cm、第2電極55cm、全長198cmの二次微分型用内筒電極を設計した。 (2)測定に際しては二重円筒内の空気流が層流であることが必要であり、これを目視試験するため、従来のアルミニュウム製外筒と同サイズの透明アクリルパイプ製外筒を設計した。 2.波高分析器の導入 測定精度の向上と測定時間短縮のため、現有の波高分析器と同種の東芝NAIG製560A型波高分析器を1台導入した。 3.部品加工・組立て 1項記述の基本設計図を基に各部品設計図を作成し、市内民間工場に発注、加工した。各部品を組立て層流試験ができるよう装置全体を組上げた。 4.動作特性のチェック (1)波高分析器:自然大気中のラドン娘核種を試料として、現有のSSD検出器、波高分析器との並列チェックを行った結果、導入波高分析器は当初の目的にそって使用可能であることを確認した。 (2)層流試験:装置の試料空気取入口後端に二重円筒内の流れを乱さないように直径3mm長さ150mmのアルミニュウムパイプを挿入し、その先端よりタバコの煙を流入させる方法で試験した結果、総流量50lit/min試料空気流量6.5〜7.0lit/minで流れが層流となることを確認した。 (3)電源および捕集装置:現有装置をモデルとした電源、新たに考案した連続捕集装置の作成は現在進行中であり、3月末〜4月末には完成の見込みである。
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